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活動報告

活動報告

Report vol.1南大東島の視察:深層水の環境DNA解析に着手!

南大東島の海岸

南大東島には鍾乳洞がたくさん

D-ARKプロジェクト最初の活動として、南大東島の視察を行いました。
南大東島の陸域には大規模な鍾乳洞が発達し、浅海域においても海底洞窟が形成されていることが知られています。
この島は約5千万年前に赤道付近で形成された海洋島であり、その後、一度も他の陸域と地続きになることはなく北上し、現在の場所に位置しています。
島の基盤となるフィリピン海プレートは北上しながらユーラシアプレートの下に沈み込んでいますが、海に沈むことなく島として存続しているのは、沈み込みを埋め合わせるように上部に造礁サンゴが形成され続けているからです。従って、陸域を含め島の上部2千メートルが石灰岩で形成されています。

島随一の鍾乳洞「星野洞」

本プロジェクトのターゲットである洞窟が深海にもありそうですね。

海水を分析して生物を探す

今回の視察では、とある企業様から南大東島沖、水深200メートル付近の海洋深層水を分けていただきました。

海水の中には、魚類などからはがれた皮ふやうろこ、フンなどに由来するさまざまな生物の組織片が漂っています。
組織片の中に含まれるごく微量なDNAを解析することで、その海域にどんな生物が生息しているか調べることができます。
これを「環境DNA解析」といいます。

過去の研究でも、海水の環境DNA解析により思わぬ発見がありました。
日本の南方にあるいくつかの海山で採水し、環境DNA解析を行ったところ、西七島海嶺の3つの海山からヨコヅナイワシのDNAを検出しました。
その海山周辺を調査したところ、見事にヨコヅナイワシの貴重な映像を記録することができました。

今回採取した海洋深層水も、今後の調査の参考になると期待しています。

CHECK!

次回の現地調査は4~5月、
本プロジェクトで欠かせないminiROVと深海洞窟用内視鏡は、
キーメンバーである「FullDepth」と「いであ」が鋭意開発中!
その様子も今後ご紹介します。