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平成15年度海洋科学技術センター委託
海洋調査観測活動に伴う海洋環境に対する影響調査報告書
―海中音響の海産哺乳動物への影響に関する研究動向―

1. 本調査の趣旨と調査方法

海洋調査観測活動が海洋生物に与える影響について、国内外の文献、資料およびインターネット上から海洋科学技術センター(JAMSTEC)および海洋産業研究会のネットワークを使って情報収集をした。収集に当っては、水中音にはどのような種類の音があり、それらがどのような特徴を有し、海産哺乳動物に対する影響についてはどのような知見が蓄積、整理されてきているか、ということを鳥瞰図的に整理することに留意して収集を行った。

しかしながら、「はじめに」でも述べたように、本件に関する文献、資料類の収集は必ずしも容易ではなった。というのは、文献としては、本報告書でも多くの引用を行った「Marine Mammal and Noise」という書籍以外は、これぞというものがなかったからである。

それでも何とか一定の収集結果を得ることができたが、その調査方法は以下のようである。

まず、海洋科学技術センターの側で蓄積、収集しつつあるものの提供を受け、これを手掛かりにさらに独自に検索、探求を続けるという調査方法を採った。さらに、インターネットを通じて「海中音」などのキーワードや、「NOAA」といった本件の研究実施機関と目される組織のホームページを探っていくという収集方法も併行して行った。このほか、社団法人海洋産業研究会がアメリカのMarine Technology Society(MTS)日本支部の連絡事務所であることから、同機関の本部を通じて関連資料や情報あるいは問い合わせ先についての情報提供を要請したが、MTS本部からNOAAの幹部スタッフを通じてその反応を得ることができ、これで得られた手掛かりも駆使して調査作業を行った。

そうしたなかで、本調査も終了時近くになった段階で、MTSから季刊で刊行されている「Marine Technology Society Journal」の2003/04年冬号が「海洋生物に対する人工海中音の影響」と題する特集号であることが、オンライン刊行通知によって分かった。残念ながら印刷物としての同誌は年度末までには届かなかったが、onlineで内容を閲覧することができるので、その一部を付属資料のなかに取り込むようにした。

以上のような調査方法を採用して取り組んだわけだが、やはり、短期での調査では限界があったように思われる。実際に取り組んでいる機関の最新動向は常にupdateしていかねばならないし、収集した英文の文献資料類をじっくり読み込んで解析、整理するという調査方法をとらねばならないという課題も立ちはだかっていた。

それでも、およその動向を把握することはできたと言えるので、以下にその具体的内容を報告していくこととする。