海洋地球研究船「みらい」が北極海での調査に向け出港しました

海洋研究開発機構（JAMSTEC）が保有する海洋地球研究船「みらい」は、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の活動として、2023年8月25日〜10月4日に21回目の北極海観測航海を実施します。観測内容は主に戦略目標①の研究課題に関連するものですが、研究成果やデータの発信、他の研究課題との連携を通じて、戦略目標②、戦略目標③、戦略目標④の達成にも貢献します。今年度は、重点課題①人材育成・研究力強化の一環として行われた国際的な研究公募による採択された課題の観測も実施します。

航海概要

北極海は、地球温暖化・海洋温暖化の進行が世界で最も早い海です。本航海では、北極海と太平洋をつなぐ玄関口「太平洋側北極海」の重点的な調査を行います。このエリアは、北極海の「太平洋化」とも呼ばれる温暖化現象が進行しており、北極海の資源・航路利用や海域保護の観点からも詳細な実態調査が国際的に急務となっており、「みらい」による観測は重要な役割を担っています。

「みらい」の北極海観測は今年で21回目となり、世界的にも貴重な長期観測データが蓄積されつつあります。これまでの歴史的な調査に新たなページを加え、北極海の環境がこれまでいかに変化し、そしてこれからどう変わりゆくのか？様々な科学的疑問を明らかにするための重要な研究データの取得が期待されます。多分野の研究者が連携して行う総合的な調査によって、海洋循環や、大気・海洋化学物質循環、海洋酸性化や環境汚染の進行状況、海洋生態系の変化などを明らかにすることを目指した統合的な観測データセットが作られます。さらに、次世代の海洋観測プラットフォームとして、海氷の下の自動観測を可能とする「極域用海中観測ドローン」の運用試験も行われます。国際色豊かな観測チームで盛りだくさんの調査が行われる航海です。

航行船

• 海洋地球研究船「みらい」

航海期間

2023年8月25日〜10月4日までの41日間

調査海域

北極海・ベーリング海・北太平洋

「みらい」北極航海の予定航路

★航海の様子は、下記WEBページなどで随時発信予定です！
・ArCS II 2023年度海洋地球研究船「みらい」北極航海
・#みらい北極航海2023