2013年1月から有人潜水調査船「しんかい6500」及び支援母船「よこすか」を用いて、インド洋、大西洋(ブラジル沖、カリブ海)、太平洋(トンガ海溝、ケルマディック海溝)の高温熱水、湧水、超深海、などの特異かつ極限的な海洋環境に成立する生態系について、地球的規模で調査・研究するため、約1年の期間をかけた研究航海(航海名称:QUELLE2013)を行います。

「QUELLE2013」

Quelle(クヴェレ)とはドイツ語で「起源」、「源泉」という意味です。生命の根源の探るという航海の共通タイトルの、Quest for Limit of Life, 2013 の赤文字の部分を採用しました。

この研究航海は、地理的・科学的にも広範囲かつ多岐にわたり、特に、生命の生存限界に近い、海洋の極限環境域における生態系を総合的に調査することで、地球型生命の生息限界と多様な生き残り戦略について解明することが目的です。また、今回の調査は、潜航に基づく本格的な科学調査がほとんど行われてこなかった海域を対象に、海域に関わる関係諸国との了解の下、共同研究として実施されるものです。

【航路図】

航路図

【スケジュール】

※気象、海象などの事由により、今後変更される可能性があります。

本研究航海を通じて、海洋の極限環境に於ける生物の生存限界の理解と極限環境への適応戦略の解明が進むことにより、生命の根源に迫る重要な知見が得られるとともに、極限環境に適応する生物の機能解明と応用等の関連分野の研究の発展に寄与することが期待されます。また、20年以上に渡り運用し、多くの成果をもたらしている「しんかい6500」により、日本の科学・技術力を世界に示し、世界の深海研究開発を牽引できるものと期待しています。