QUELLE2013: 「よこすか/しんかい6500」世界一周航海への期待

北里領域長

海洋・極限環境生物圏領域
領域長
北里 洋

プロフィール
1948年東京都生まれ。
1976年東北大学大学院理学研究科博士課程修了。静岡大学理学部助手、助教授、教授を経て、2002年海洋科学技術センター入所。2009年4月から海洋・極限環境生物圏領域長(上席研究員)に就任。
専門は、地球生命科学、深海生物学、海洋微古生物学。

2013年に「よこすか/しんかい6500」による世界一周航海を行うことになりました。航海全体の愛称はQUELLE2013(Quest for Limit of Lifeの略称)と名付けました。QUELLE2013は、海洋環境の中でも、とくに生命の限界(Limit of Life)に肉薄する超極限的な生態系を主な調査対象とし、地球型生命の生息限界と共生に見られるしたたかな生き残り戦略を明らかにすることを目指しています。ここで取り上げる極限環境とは、深海にある高温熱水、湧水、超深海、大洋の孤立した海山/海台のことを指します。
QUELLE2013は、国際的な深海調査研究および調査技術のCOEとしてのJAMSTEC、および海洋研究を先導する日本を明確に打ち出すことも目指しています。本行動を通して、「CoML-INDEEP」や「InterRidge」という現在進行中の国際的な研究計画に貢献するとともに、とくに今後の成長が大いに期待される南半球の海洋調査途上国であるニュージーランドやブラジルと緊密に連携し、21世紀の世界の海洋調査を主導しようと意気込んでいます。