レビュー［大分県代表・血の池地獄の泥：赤鬼］

本大会もいよいよ終盤となり、ベスト8が出そろった。錚々たる顔ぶれであるが、そこに私が応募した「血の池地獄の泥」が残っている。絶対に弱い！と思われながらもここまで大逆転劇の連続で大会を盛り上げてくれている。野球も「すべらない砂甲子園」も、やってみないと分からない。だから面白い。

さて、今回はベスト4をかけた最後の２試合が行われる。会場はなんと高知県立足摺海洋館「SATOUMI」の竜串湾大水槽の前！すべ砂史上最高のロケーションといえる。「SATOUMI」のユニークな点は竜串の大自然をそのまま表現している水族館であるという点だ。魚だけでなく水槽の周りの岩までとことんこだわっている。生痕化石（実物）から型を取って形を再現したり、つづみ岩の音を再現したりという、もはやマニアな領域。知れば知るほど深く楽しめる水族館なので、是非とも遠方からも足を運んでいただきたい。

［第一試合］長崎県五島列島福江島三井楽地区柏の石灰質砂丘岩（長崎県） VS ヒスイ輝石岩（新潟県）
前砂はここまで圧倒的な強さを見せている炭酸塩鉱物。第23話では両試合ともに炭酸塩鉱物が勝ち上がることとなったが、柏の石灰質砂丘岩もそれに続くことができるか。対する後砂は日本の国石であるヒスイ。日本人が古来より宝として大切にしてきた石だ。「すべらない砂甲子園」はこのまま炭酸塩旋風に飲まれてしまうのか、それとも国石の意地を見せられるか・・。
試合開始。さすがにベスト８同士の戦いになるとトルクの上がり方も鋭く、一気に7Nm近くまで上昇する。前回の結果から石灰質砂丘岩が有利かと思われている中、なんと先に膨らみが見たのは石灰質砂丘岩。ズレが始まりながらもトルクは8Nmまで上昇し粘りを見せたが、その後頭落ちになり勝負が決した。結果としてヒスイの圧倒的な勝利となった。

[第二試合]室戸岬先端の斑糲岩の砂（高知県） VS 血の池地獄の泥（大分県）
前砂は室戸高校と室戸ジオパークがタッグを組んだ斑糲岩。固さでは圧倒的に有利か。対する後砂は真っ赤な血の池地獄の泥。すべりながら強くなる「すべり強化」という必殺技を持っている。
試合開始。トルクが6Nmまで上昇したあたりで血の池地獄の泥にやや膨らみが見え、すこしズレが見えてきた。ただここから強いのが血の池地獄の泥。すべり強化を見せ、トルクはどんどん上昇し続ける・・が、斑糲岩は全く譲らない。8Nm近くまで上昇したところで黄色の線に達し、斑糲岩の勝利となった。（たぶん）史上初のトルクがずっと上がり続けながらの決着だった。最後、斑糲岩が少し動いているのが見て取れる。仮にこのまま試合を続行したとすると結果は変わるのだろうか・・。

これでベスト４が出そろった。準決勝はそれぞれ炭酸塩対決、深成岩対決となる。自ずと決勝は炭酸塩vs深成岩。組み合わせ抽選は運任せのくじ引きであったのだが、結果としてとてもストーリー性のある組み合わせとなった。残すところ、準決勝２試合、3位決定戦、決勝の計4試合。夏に開幕した本大会もクリスマスイブの決勝でフィナーレを迎える。一番すべらない砂はどの砂になるのか？今後も熱い戦いから目が離せない。