-参考-
アポロニオス アルゴナウティカ 岡道男訳 講談社
アポロドーロス ギリシア神話 高津春繁訳 岩波書店
ヒュギーヌス ギリシャ神話集 松田治・青山照男訳 講談社
名前の由来
アルゴ(Argo)という名前は、ギリシャ神話の「アルゴ船物語」に登場する船に由来しています。
アルゴ船物語 〜序章の要約
その昔、テッサリアのイオルコス王ペリアスは、将来自分の王権が片足サンダルの者に脅かされるという神託(神のお告げ)を受けます。
ある日、ペリアスがもうけた宴に出席しようとした甥のイアソン(Jason)は、
途中川を渡る際に片方のサンダルを失くしてしまいます。これを知ったペリアスはイアソンを亡き者にすべく、王位を譲るという条件で、命懸けの冒険を命じました。
その冒険とは、遥か黒海の東の国コルキス(現在のグルジア)にあるという
「黄金の羊の毛皮(金羊皮)」を持ち帰るというものでした。この金羊皮は王権を護る宝として、眠らぬ龍が見張りする森の神殿に奉られていて、遠い国からこれを奪取して生還することは誰にも出来ないと信じられていたのです。
しかし、イアソンはこの危険な冒険に挑戦します。
神託によってオルフェウスやヘラクレスなどギリシャ中の名だたる勇者達がこの冒険のために集められ、その一人であったアルゴスが女神アテナの導きを受けて、50の櫂を持つ巨船「アルゴ」を建造します。
かくして、イアソンは多くの仲間とともにこのアルゴ船に乗り、数々の試練が待ち受ける大航海に勇躍出帆するのでした・・・

このアルゴ船はアテナによって星座の中にもたらされ、アルゴ座になったと言われています。
ただしあまりに大きすぎたため、18世紀にらしんばん(羅針盤)、ほ(帆)、とも(艫)、りゅうこつ(竜骨)の4つの星座に分割され現在に至っています。
そして21世紀、アルゴ船は最新の海洋観測システムとして生まれ変り、レーダー海面高度計を搭載した観測衛星「Jason」とともに未知なる海洋内部を解き明かす大航海に今まさに乗り出したところなのです。
