VFIVE : Virtual Reality Visualization Software for CAVE Systems

Last update : 2010.09.06

CAVE用データ可視化ソフトウェアVFIVE

CAVEというハードウェアをデータ可視化に使うためには当然ソフトウェアが必要となる。 現在、CAVEで利用できる可視化ソフトウェアがいくつか販売されているが、 我々はそのようなソフトウェアが登場する前から自分達で、CAVE用の3次元可視化ソフトウェアを開発してきた。 OpenGLとCAVE libを使ってVRプログラムを作るための入門的なプログラミングガイド[kageyama, 1998a]も書いた。 さまざまな可視化プログラムを書いてきたが、 その経験を通じて、 多くのシミュレーションデータの解析で共通して利用できる可視化機能があることがあることに気がついた。 そこでそれらの昨日をまとめて汎用のVR可視化ソフトウェアを開発することにした(1999年頃)。

こうして作ったCAVEシステム用の汎用シミュレーションデータ可視化プログラムが VFIVEである[kageyama, 2000]。 現在のところVFIVEの最新版はv3.8である。 最終版はv.5と決めている。

VFIVEは、OpenGLとCAVE LibというほとんどのCAVE装置が共通してもっているはずのライブラリを使っているだけなので、 多くのCAVEで使えるはずである。 これまでに試したCAVE装置は3面型、4面型のCAVE装置、 ImmersaDeskという1面型の装置、CAVE libを利用したHMD装置などであり、 全て何の問題もなくVFIVEが利用できた。

VFIVEの主要な目的は、 複雑な3次元ベクトル場を3次元のまま解析することである。 このために、 仮想現実(VR)技術の持つ立体感や対話性、 没入感などの特徴を利用した様々な可視化モジュールを開発した。 VFIVEには簡単なメニュー機能があり、 様々な可視化機能やその対象となる場を容易に選択することが可能である。 VFIVEにはまた、曲線や曲面の座標データをオプションとして渡すことによって、 それらの物体をVR空間内に自動的に構成し、 表示させる機能も持つ。

VFIVEは本来、 シミュレーションの解析に利用することを想定して開発が始められたが、 入力データ形式やその可視化機能には汎用性があるため、 様々な分野の実験や観測データの解析等にも応用できる。

地球シミュレータセンターのCAVE型VR装置であるBRAVEの説明はこちら


VFIVEを用いたCAVE空間内でのVR可視化の例 : 静止画

VFIVEではこの図のように、目の前に浮かんだメニューを仮想レーザービームで選択することにより可視化手法を切り替える。 VFIVE:menu VFIVE:menu2
視点移動の様子(QuickTime) VFIVE:viewpoint
矢印による流れ場の可視化 VFIVE:arrows VFIVE:arrows2 VFIVE:arrows3
VFIVE:arrows4 VFIVE:arrows5
等値面(ここではしろい棒状の物体)によるスカラー値分布の可視化。 VFIVE:isosurface
粒子軌道追跡。 手に持ったワンドのボタンをクリックすると、 手の先から次々とテスト粒子を放出され、その運動を観察することで3次元の流れ場構造が直感的に把握できる VFIVE:tracer VFIVE:streamlines
流線に太さと色によって情報を付加した「チューブ」による流れ場の可視化 VFIVE:tubes
「リボン」による流れ場の可視化。 VFIVE:ribbons
ボリュームレンダリング。 VFIVE:volumerendering

VFIVEを用いたCAVE空間内でのVR可視化の例 : 動画

VFIVEを使用してダイナモシミュレーションの結果を可視化している様子(10分)。 [画像をクリックする事で動画を見る事ができます] VFIVE:Movie

ダウンロード

VFIVE (基本バージョン)
for Unix
vfive3.72u.tar.gz (Multi-Process版)
for Win and Unix
vfive3.72mt.zip (Multi-Thread版) New
vfive3.72Amt.zip (Multi-Thread版, for time-developing data) New
TEXMAKER
for Win and Unix
tex_maker.zip(GLUTが必要) New
注意
  • ご使用前に、利用規約を読んでください
  • CAVELibおよびC++コンパイラが必要です
  • Windows環境では、glext.hが必要です。インターネットからダウンロードして、ソースファイル群と同じディレクトリに入れてコンパイルしてください
  • Makefileは、環境に合わせて修正してください(Unix)
  • マルチスレッド版をご使用の方は、tex_maker.cppもダウンロード、コンパイルして、 実行ファイルをVFIVEの実行ファイルと同じディレクトリに入れてください。GLUTが必要です。 VFIVEが、このプログラム(tex_maker)を呼び出します

イベント

  • ジュニア サイエンス アカデミー2010 (東京電力・テレビ新潟主催、於新潟県柏崎市)に3D気象シアターを出展しました。 デモの様子など

VFIVE(を使っている映像)が登場した新聞記事など

  • テレビ朝日 : 2010年9月5日、「奇跡の地球物語」#45
  • テレビ新潟 : 2010年8月6日、「夕方ワイド新潟一番」
  • 読売新聞(夕刊):2009年4月9日、「写旬=人間気象衛星に変身」
  • 神奈川新聞:2008年11月11日、「バーチャルで学ぶお天気」
  • 青森放送 : 2007年10月14日、ニュートンのリンゴ No.157「地球の未来が見える?」~地球シミュレータ~
  • サブラ : 2007年 Vol.12、「篠山紀信, “TOKYO ADDICT”」
  • 企業実務 : 2007年7月号、「地球内部などに入り込める仮想空間」
  • Nature : "Virtual journey to the centre of the Earth", vol.447, pp.365, 24 May 2007
  • "地球のデータを3D化する技術を開発 (Japanese Scientists In Eye Of Storm... With Goggles)", AFP, 2007年05月14日 配信
  • 朝日新聞:2007年5月8日、「地球内部の動きが「見える」「可視化」の技術を開発」
  • 日経サイエンス:2005年9月号、「立体画像の中で見えるもの、失うもの」
  • 東京新聞:2005年5月10日、「地磁気の逆転 解明の夢」
  • NHK教育テレビ:2005年4月、「科学大好き土曜塾」
  • 雑誌Japan Inc: November 2003 issue, " Heavy Weather "

VFIVE・VR可視化論文

  1. Nobuaki Ohno and Akira Kageyama, Region-of-Interest Visualization by CAVE VR System with Automatic Control of Level-of-Detail, Computer Physics Communications, Vol.181, Issue 4, pp.720-725 (2010)
  2. 陰山聡, 大野暢亮, バーチャルリアリティを用いた対話的3次元可視化ソフトウェアの開発とその応用 J.Plasma Fusion Res. vol.84, No.11, pp.834-843 (2008)
  3. N.Ohno and A.Kageyama, Scientific visualization of geophysical simulation data by the CAVE VR system with volume rendering, Phys. Earth Planet. Interiors Vol.163, pp. 305-311 (2007)
  4. N. OHNO, A. KAGEYAMA and K. KUSANO, Virtual reality visualization by CAVE with VFIVE and VTK, J. Plasma Physics Vol.72, part 6, pp.1069-1072 (2006)
  5. Akira Kageyama, Nobuaki Ohno, Tutorial introduction to Virtual Reality: What possibility are offered to our field?, Proceedings of ISSS-7, Kyoto March 2005, pp.127-136; arXiv:physics/0512066; PDF (with higher resolution figures)
  6. 陰山 聡, 大野 暢亮, 地球シミュレータデータの可視化, 上智大学理工学部講義「ビジュアリゼーション(科学技術における応用)」2005年, テキスト, pp.30--35; PDF
  7. Akira Kageyama , Yuichi Tamura, and Tetsuya Sato, Scientific Visualization in Physics Research by CompleXcope CAVE System , Transactions of the Virtual Reality Society of Japan, Vol.4, No.4, pp.717-722 (1999)
  8. Akira Kageyama, Yuichi Tamura, and Tetsuya Sato, Visualization of Vector Field by Virtual Reality, Progress of Theoretical Physics Supplement, No.138, pp.665-673 (2000)
  9. Nobuaki Ohno and Akira Kageyama, Introduction to Virtual Reality Visualization by the CAVE System, Advanced Methods for Space Simulations, pp.167-207 TERRAPUB Tokyo (2007) ISBN978-4-88704-138-7
  10. 陰山 聡、 佐藤 哲也, VRシステムCompleXcopeプログラミングガイド, (CAVEシステム用プログラミングガイド) NIFS-MEMO-28, Sep. 1998; PDF
  11. A. Kageyama, T. Hayashi, R. Horiuchi, K. Watanabe, and T. Sato, Data Visualization by a Virtual Reality System, Proc. 16th Int. Conf. Numerical Simulation of Plasmas, pp.138-142, Santa Barbara, CA, USA, 10-12 Februaly 1998; PDF