CLIVAR小委員会について
第24期日本学術会議において,
環境学委員会・地球惑星科学委員会合同FE・WCRP合同分科会の下にCLIVAR小委員会が置かれている.
その設置目的は,IPCCや国連海洋科学の十年に関連する国内外の情勢をも踏まえ、気候の力学解明、予測可能性に関するさまざまな情報を俯瞰的、分野横断的に共有し,国際プロジェクトであるCLIVARに関する国内外の連携を緊密化させることである.
メンバー

理学研究科

未来ビジョン研究センター



基幹研究院自然科学系



都市環境学部

気象研究所

気象研究所

先端科学技術研究センター



リベラルアーツ学群


大気海洋研究所

関連機関:CLIVAR(国際)の紹介
CLIVAR(Climate and Ocean: Variability, Predictability and Change; 気候と海洋-変動・予測可能性・変化研究計画)は、世界気候研究計画(WCRP)の6コアプロジェクトの1つであり、大気海洋結合系における力学や相互作用の諸過程とその予測可能性に関する理解の深化のための科学研究の推進により人類社会へ貢献することを使命とした組織である。
CLIVARは2015年より第二期に入り,その正式名称Climate and Ocean-Variability, Predictability and Change(気候と海洋-変動・予測可能性・変化研究計画)となった.
気候研究では主に上下両方向への動きをvariability(変動),一方向に変わるだけなのをchange(変化)とよび,それぞれ自然な気候変動と人為起源の気候変化におおむね対応する.
第二期CLIVARのミッションは,海洋‐大気結合系の力学,相互作用,予測可能性を理解することである.
そのために,CLIVARは地球の気候システムにおける変化の観測,解析,予測を促進し(facilitate),気候の変動,力学,予測可能性,そして変化のより良い理解を可能にして,私たちが住む社会と環境に利益をもたらす.
より具体的には,海洋 - 大気結合システムのダイナミクスを記述し理解するとともに,季節・経年・10年・100年規模の気候に変動・変化・予測可能性をもたらす過程を特定するべく,観測データの収集と解析そして結合気候システムにおける数値モデルの開発とその適用を,他の気候研究および観測活動と連携して実施する.
なお,第一期のCLIVARの正式名称は,Climate Variability and Change(気候変動及び予測可能性研究計画)であり,1995年には科学計画が、1998年には実施計画が策定され、2013年までの15年計画で発足した.
成功に終わった熱帯海洋・全球大気計画(TOGA =Tropical Ocean Global Atmosphere(1985‐1994))の知見を基にさらに研究を前進させ,また世界海洋循環実験計画(WOCE = World Ocean Circulation Experiment(1990‐2002))により取り組まれた研究を拡張している.
組織
CLIVARはScientific Steering Group (SSG)の下、4つのグローバル・パネルと,5つの地域パネルを持つ.これらのパネルは常設である.また5年程度の期間で集中的に取り組む課題を,Research Foci(複数形,単数形ならFocus)として定めており,2つのFociが運用されている.(2024年8月現在)
Scientific Steering Group
- 北大・見延氏が参加.
グローバルパネル
- Global Synthesis and Observations Panel(全球統合と観測パネル).海洋研究開発機構・増田氏,安藤氏(Ex-officio)が参加.
- Ocean Model Development Panel (海洋モデル開発パネル).気象研・浦川氏,気象研・辻野氏(Emeritus)が参加
- Climate Dynamics Panel (気候力学パネル).北大・佐々木氏が参加
- CLIVAR/GEWEX Monsoons Panel (モンスーンパネル,GEWEXと共同).東京都立大・高橋氏が参加
地域パネル
- Atlantic Region Panel(大西洋地域パネル).海洋研究開発機構・Richter氏が参加
- Pacific Region Panel(太平洋地域パネル).お茶の水女子大・神山氏,東北大・安中氏が参加.
- CLIVAR/IOC-GOOS Indian Ocean Region Panel(インド洋地域パネル,IOC-GOOSと共同).海洋研究開発機構・木戸氏が参加.
- CLIVAR/CliC/SCAR Southern Ocean Region PanelS(南大洋地域パネル,CliC/SCARと共同).北大・中山氏が参加.
- CLIVAR /CliC Northern Oceans Region Panel (北海パネル,CliCと共同).
Research Foci
- Tropical Basin Interaction (TBI).海洋研究開発機構・Richter氏(Co-Chair)と九大・時長氏が参加.
- Marine Heatwaves in the Global Ocean.