2007年06月19日
独立行政法人海洋研究開発機構
海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)が熱帯太平洋域で運用しているトライトンブイ(※1)16号基(図1、2参照)が係留地点から漂流していることを確認しましたのでお知らせします。
6月17日18時09分(日本時間)現在、ブイは北緯2度、東経130度の設置点から、北西へ約30km地点を漂流中です。搭載された衛星通信装置によりブイの位置計測は継続しておりますが、発信電波強度が低下しています。
トライトンブイ16号基は、以前より船舶等による曳航(えいこう)等に伴う漂流が頻発する観測点であり、今回も同様に強制的に曳かれた結果、係留ロープが切断され、漂流に至ったものと推定されます。
当該ブイの位置は把握しており、引き続き監視を行います。海上保安庁海洋情報部に、周囲の船舶に対して注意を喚起するよう6月17日依頼致しました。
ブイの回収方法、回収時期については現在検討中です。
トライトンブイは、西太平洋熱帯赤道域を中心に当機構が設置(一部インド洋にも設置)している、海洋観測ブイです。
海水温度、塩分濃度について深度750メートルまで一定間隔で観測するほか、風、大気温度、湿度、降水量、日射量、潮流の観測も行います。観測されたデータは、人工衛星を通じ提供され、エルニーニョやダイポールモード現象などの研究や台風発生等の気象予測の精度向上等に寄与しています。