

2008年04月08日
独立行政法人海洋研究開発機構
国立大学法人島根大学
合資会社いずもWeb
微小領域の地球科学へ 高精度マイクロミル「GEOMILL326」販売開始
〜日本初のマイクロミルシステムを実用化〜
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)地球内部変動研究センター(IFREE センター長 深尾 良夫)と国立大学法人島根大学(学長 本田 雄一)の間で共同開発した高精度マイクロミルシステム「GEOMILL326」を、実施許諾契約に基づき、合資会社いずもWeb(代表 松田 新一)が、平成20年4月8日から、全国の大学、研究機関、環境コンサルタント等を対象に、発売を開始します。
本システムにより、本分野における産学官の積極的な交流により得られた成果を、社会へ還元できることになります。
なお、本格的販売にあたり、4月9日から神戸で開催される海洋分野の総合国際コンベンションOcean’s Techno-Ocean 08で本システムを紹介します。
1.GEOMILL326の特徴
- (1)
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化石・岩石試料の目標箇所を、マイクロメートル単位で切削することが可能
これまで、顕微鏡下での手作業やミクロトーム※1、旋盤でも困難であった、1/1000ミリメートル単位の正確な切削によるサンプリング技術を実現しました。これにより、安定した微小領域切削が可能となり、切削にかかる時間も短縮されることから、地球科学研究分野だけでなく、微小領域をターゲットとした研究を行う、生物・水産研究をはじめとする産業界等からの多くの需要が期待されます。
- (2)
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化石や岩石試料の不規則な形状をもつ特定部位の自動切削が可能
C-MOSカメラ※2を搭載し、PC上で簡単にリアルタイムの観察が実現しました。また、可動式の台座を搭載し、C-MOSカメラから得た情報により台座を動かすことによって、表面研磨したサンゴ骨格や貝殻等の成長線および、あらゆる地質試料(堆積物、化石、岩石)の特定部位に沿った自動切削を実現しました。
- (3)
-
Excelを用いた座標指定切削が可能。
専用ソフト(VBA)※3を利用することにより、マイクロソフト社のExcel上での座標指定切削が可能となり、高い簡便性と操作性を実現しました。
2.販売時期
平成20年4月8日(火) 販売開始
3.販売元
合資会社 いずもWeb http://g326.com/
GEOMILL326の開発経緯、宣伝、ユーザーサポートを目的としてWebサイトを開設しています。
4.販売予定価格
250万円(税別)
参考:「GEOMILL326」パンフレット[PDF:261KB]
用語の説明:
- ※1
- 顕微鏡観察等で、試料を極薄の切片にするために用いられる器具。
- ※2
- 携帯電話等においてよく使われている小型イメージセンサを用いたカメラ。比較的価格が安く、性能も高く、高画質であり、手軽にリアルタイム観察ができるため、本システムに適している。
- ※3
- マイクロソフト社のExcelにプログラムを与えて動作させるために必要なプログラム言語。これにより、Excelファイルでの座標点インプットが可能となる。