2009年02月10日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)の運用する地球深部探査船「ちきゅう」は、アジマススラスター(船位保持のための360°回転可能な推進機)のギア修理のため、昨年10月から佐世保重工業株式会社佐世保造船所および神戸港六甲アイランド岸壁において、アジマススラスター6基全てのギア交換修理工事を実施しておりましたが、据え付けを2月14日に終える予定です。
その後、2月15日または16日に神戸港を出港し、大阪湾と駿河湾において試験を実施し、機能確認ができた時点で修理工事が完了します。
引き続いて5月初旬まで駿河湾において、5月から再開予定の科学掘削実施のための機器操作訓練を実施します(3月初旬には熊野灘において科学掘削のための地質強度確認用の試験掘削等を実施します)。
これらが順調に行けば、5月初旬に和歌山県新宮市新宮港に寄港し、資機材の積み込みを行った後、新宮港を出港し、IODP(※統合国際深海掘削計画)の一環である南海トラフ地震発生帯掘削計画を再開します。
今後の予定は以下の通りです。
平成21年2月14日まで | 神戸港六甲アイランド岸壁にて修理工事 |
平成21年2月15日 | 神戸港において一般公開。一般公開終了後、出港準備。 |
平成21年2月15日または16日 | 神戸港出港 大阪湾において機能確認試験。その後、駿河湾に回航。 |
平成21年2月19日〜5月初旬 | 駿河湾において機能確認試験、その後機器操作訓練。 (3月初旬に熊野灘において地質強度確認用の試験掘削等) |
平成21年5月初旬 | 新宮港寄港、資機材積込み。 |
平成21年5月10日頃 | 新宮港出港、南海トラフ地震発生帯掘削計画の再開。 |
日・米を主導国とし、平成15年(2003年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクト。現在、欧、中、韓の21ヶ国が参加。日本が建造・運航する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が運航する掘削船を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を行います。
【写真1】 交換したギアを組み込んだアジマススラスター(約250トン)を「ちきゅう」のヘリコプターデッキの開口部を通して船体に搭載する作業。4基のアジマススラスターについて写真のような工事を実施して搭載した。後部2基のアジマススラスターは造船所において修理を行った。
【写真2】ヘリコプターデッキの開口部を通して降下するアジマススラスター