2010年 2月 3日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、平成21年度研究報告会「JAMSTEC2010」を下記のとおり開催いたします。
この研究報告会は、当機構の活動状況や成果概要などを一般の方々に紹介する目的で、毎年開催しています。
今回の研究報告会では、「地球システムの解明に果たすJAMSTECの役割」をテーマとして、第1部では地球環境変動の解明に挑む最新の研究活動について若手研究者よりご紹介いたします。
また、第2部では海溝型地震・防災研究について、地震・津波観測監視システムや地球深部探査船「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削計画の進展をご紹介し、つづけて有識者の方をお招きして地震・防災研究の最前線についてパネルディスカッションを行います。
記
1. | 日時 | : | 平成22年2月24日(水)13:00〜17:30(開場は12:30) |
2. | 場所 | : | 東京国際フォーラム ホールB5(定員400名) 東京都千代田区丸の内3−5−1 |
3. | 入場料 | : | 無料(事前登録は必要ありません。) |
4. | プログラム | : | 別添リーフレット参照 なお、12:30より、会場ロビーにて、主な研究開発成果をご紹介するポスターを展示し、開会前及び休憩時間中に研究者による説明を行います。 |
5. | 講演者 | : | 別紙参照 |
6. | 主催 | : | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
【第1部】 地球環境変動の解明に挑む |
|
● | 海洋機構の目指すもの 今脇 資郎(いまわき しろう) 海洋研究開発機構 理事 研究担当理事。理学博士。専門は海洋物理学。1970年に京都大学大学院理学研究科修士課程を修了。京都大学理学部助手、鹿児島大学水産学部助教授、九州大学応用力学研究所教授を経て、2009年度より現職。日本海洋学会会長、IAPSO(国際海洋物理科学協会)会長などを歴任。海洋の現場観測データや人工衛星観測データなどを基にして,表層・深層の中規模渦、日本南岸での黒潮の流量・流軸変動など、海洋での流速変動の実態を明らかにする研究を行った。 |
● | ますます北へ! -海洋地球研究船「みらい」が拓く日本のための北極海研究- 猪上 淳(いのうえ じゅん) 海洋研究開発機構 地球環境変動領域 主任研究員 専門は気象学。北海道函館市生まれ。大気−海氷−海洋相互作用、北極海の海氷変動とその影響評価を研究テーマとする。「みらい」の気象観測や北極ブイ観測などに関わる。北海道大学大学院地球環境科学研究科修了後、北海道大学低温科学研究所、コロラド大学、ジョージア工科大学を経て現職に至る。 |
● | 海洋酸性化と生物圏への影響 豊福 高志(とよふく たかし) 海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域 チームリーダー 専門は地球生物学。海洋の主要な炭酸塩生産者の一つ、有孔虫をモデル生物として室内精密飼育実験を行い、細胞内環境計測や微細構造観察、微量元素・同位体測定を通して石灰化メカニズムや物質循環を研究している。海洋における生物と環境の相互作用とその進化に興味がある。 |
【第2部】 海溝型地震・防災研究の最前線 |
|
● | 東海、東南海、南海地震の被害軽減を目指して -海溝型巨大地震・津波に備える地震・津波観測監視システムの開発- 金田 義行(かねだ よしゆき) 海洋研究開発機構 地震津波・防災研究プロジェクトリーダー 1979年東京大学理学部研究科大学院地球物理専攻修士課程修了、理学博士。専門は地震学。海洋研究開発機構にて海溝型巨大地震研究を推進し、地震津波・防災研究プロジェクトのプロジェクトリーダーとして文部科学省から委託研究「地震・津波観測監視システムの構築」ならびに「東海、東南海、南海地震に関する連動性評価研究」プロジェクトの指揮をとる。著書に「先端巨大科学で探る地球」(東京大学出版会)がある。 |
● | 南海掘削計画の進展 斎藤 実篤(さいとう さねあつ) 海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域 チームリーダー 海洋地質学者。1993年以来、海洋掘削航海に7度参加し、海底の柱状試料や孔内計測データを用いた地層解析により、世界各地の変動帯ダイナミクスを解明。統合国際深海掘削計画(IODP)による南海トラフ地震発生帯掘削計画では「ちきゅう」に2度乗船し、2009年には第322次研究航海で首席研究員を務め、国際研究チームを指揮した。 |
● | パネルディスカッション「地震・防災研究の最前線を語る」 |
<司会> 平 朝彦(たいら あさひこ) 海洋研究開発機構 理事 テキサス大学大学院博士課程修了。高知大学、東京大学海洋研究所を経て、2002年から海洋研究開発機構地球深部探査センター長、さらに2006年より理事を務める。現在、開発推進部門を担当。プレート沈み込み帯における付加作用の研究で、2007年に日本学士院賞受賞。深海掘削に長く参画しており、IODPと「ちきゅう」の総合的推進に中心的な役割を果たしている。 |
|
<パネリスト> 越智 繁雄(おち しげお) 内閣府政策統括官付参事官(地震・火山・大規模水害対策担当) 1983年建設省入省。建設省大臣官房技術調査室技術管理官、国土交通省河川局治水課事業管理室長などを歴任し、2009年より現職。平成5年〜8年にかけてJICAチーフアドバイザーとして中国へ派遣。東海地震や東南海・南海地震、首都直下地震などの大規模地震対策、火山災害、大規模水害対策などを担当。文部科学省の地震調査研究推進本部専門委員、気象庁の火山噴火予知連絡会幹事などを務める。 |
|
津田 和夫(つだ かずお) 和歌山県危機管理局長 1974年和歌山県庁入庁。1995年の阪神・淡路大震災時、消防防災課防災班長として支援を担当。2005年より消防保安課長、2007年より総合防災課長を歴任し、2009年より現職。 |
|
田村 和子(たむら かずこ) 科学ジャーナリスト 1962年お茶の水女子大学卒業後、社団法人共同通信社入社。社会部、科学部記者、1989年科学部長、論説委員、1998年論説副委員長を歴任し、2000年定年退社。2007年まで客員論説委員(生命科学、環境防災科学、科学技術政策)、2004年から2008年まで京都大学、新潟大学の経営協議会委員、2008年から大学共同利用機関法人自然科学研究機構経営協議会委員、日本科学技術ジャーナリスト会議会員。 |
|
金田 義行(かねだ よしゆき) 海洋研究開発機構 地震津波・防災研究プロジェクトリーダー |
|
斎藤 実篤(さいとう さねあつ) 海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域 チームリーダー |