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2023年6月16日
独立行政法人国立科学博物館
国立研究開発法人海洋研究開発機構

白亜紀に噴火した世界最大火山の新たな年代値を決定
〜海洋生物の大絶滅との関連性の見直し〜

オレゴン州立大学のPeter C. Davidson、Anthony A. A. Koppers、国立科学博物館の佐野貴司グループ長、海洋研究開発機構海域地震火山部門の羽生毅グループリーダーらの研究チームは、世界最大の火山体であるオントンジャワ海台から採取された岩石に対して、それに含まれる斜長石と呼ばれる鉱物を用いて高精度の年代測定を行いました。その結果、オントンジャワ海台の形成年代は従来の推定年代よりも1000万年も若いことを明らかにしました。さらに、噴火活動は少なくとも600万年間と長期にわたって続いていたことを示しました。

これまで、オントンジャワ海台の活動は約1億2200万年前に比較的短期間(100-300万年)で起こったとされ、この時期に起きた海洋生物の大絶滅と関連する海洋無酸素事変の引き金になったと考えられてきました。しかし、今回の結果から、むしろその後に起きた別の海洋無酸素事変と関連している可能性が指摘され、白亜紀の海台形成イベントと海洋環境変動の関係について見直す必要性が生じました。

本研究では、過去の海洋掘削で得られた試料のほかに、オントンジャワ海台の一部が海底に露出していると予想された海域における2014年の海洋地球研究船「みらい」による地形調査に基づき、2017年に学術研究船「白鳳丸」を用いて海底から採取された岩石試料が用いられました。

本研究成果は2023年6月16日付で国際学術誌Scienceに掲載されます。

詳細は国立科学博物館のサイトをご覧ください。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室
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