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0.1mmの雪粒子成長の取り扱いでスーパー台風の強さが変わる ―スーパー台風の予測改善に向けた発達メカニズムの実証―

2026.04.17
東京大学
海洋研究開発機構

東京大学大学院理学系研究科/大気海洋研究所の韮澤雄太郎大学院生と、海洋研究開発機構環境変動予測研究センターの清木達也主任研究員らによる研究グループは、雲粒子の衝突成長モデリングを高精度化することで、台風最発達期における中心気圧が統計的有意に低下し、スーパー台風注1 の数値シミュレーション結果が現実に近づいたことを示しました。
2021年から2023年の間に北西太平洋で発生した5つのスーパー台風を対象に調べた結果、個々の事例ではばらつきがあるものの、まとめて見ると中心気圧が低下する傾向がはっきりと確認されました。

台風予測は初期値に強く依存するため、数値モデリングの改善とシミュレートされた台風強度との因果関係を説明することは困難でした。本研究では、スーパー台風の発達強化が偶然によるものではなく、雪雲粒子成長が放射対流相互作用を通して台風中心付近の雨雲発達に寄与して、台風の発達に影響を与えるメカニズムを実証しました。この成果は、スーパー台風の予報精度の改善に向けて、雪雲粒子成長モデリングの改善が有効であることを指摘し、今後の気候モデルにおける台風予測の改善に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2026年4月17日(金)にAtmospheric Science Letters に掲載されました。

図

図. 雪粒子の衝突成長モデリングの違いによる台風中心気圧の差

研究助成
本研究は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)第3回、第4回地球観測研究公募(ER3ECF004, ER4ECF005; 研究代表者:国立研究開発法人海洋研究開発機構 清木達也)、科研費基盤B「北西太平洋モンスーンの変動に伴う大気海洋の熱収支変化の影響とその解像度依存性(課題番号:22H01297/23K22568)」、JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム(助成番号:JPMJSP2108)の助成を受けたものです。数値シミュレーションは、地球シミュレータ上で実行しました。

用語解説
※1

スーパー台風
一般に最大風速が60m/s以上の台風を指します。本研究では、北西太平洋に発生した最低中心気圧920hPaを下回る台風を指しています。

詳細は東京大学のサイトをご覧ください。

JAMSTEC関連サイト

世界中の雲の生成を計算して、台風の動きを予測する! 全球雲解像モデル「NICAM」の実力<前編>
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/explore-20221110/

台風を制御する日は来るのか!?――気象研究最前線 全球雲解像モデル「NICAM」の実力<後編>
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/explore-20221110-2/

台⾵発⽣の2週間予測が実現可能であることを実証 ―台⾵発⽣予測の実⽤化に向けた第一歩―
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/archive/2015/20150120.pdf

お問い合わせ先

国立研究開発法人海洋研究開発機構
企画部門 事業推進部 報道室