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2024年のG7海洋の未来イニシアティブ(FSOI)ワーキンググループ会合にJAMSTEC専門家が参加

2024.12.04

2024年10月29日(火)~31日(木)にイタリア・ローマのイタリア学術会議(CNR: National Research Council)本部において、G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI: Future of the Seas and Ocean Initiative)ワーキンググループ* 会合が開催されました。

会合では、「海洋研究インフラの統合と連携」についてワークショップ形式で議論を行った後、「北極域海洋観測」、「OneArgo**」、「海洋のデジタルツイン」を含む2024年ワークプランで定められた各トピック*** の活動進捗状況(JAMSTEC専門家がオンラインで参加し、会期間活動について報告)を確認し、2025年の計画及び体制について討議を実施しました。

JAMSTECからは、日本のナショナルフォーカルポイント(窓口、NFP)を務める文部科学省研究開発局海洋地球課に協力する形で、地球環境部門及び経営企画部国際課関係者が日本政府代表団として対面で出席しました。科学的知見及び専門的知見を活かし、他のG7メンバーとともに、持続的な海洋観測の実現及び観測データの利活用等における国際的な科学協力、政策協力に関する議論に参加し、海洋の明るい未来につながるいくつかの提案を取りまとめました。

引き続きJAMSTECは、G7 FSOIワーキンググループへの参加を通じて、海洋科学における政策立案や国際協力に貢献してまいります。

参考(イタリア語):
https://www.cnr.it/en/news/13079/g7-future-of-the-seas-and-ocean-initiative-fsoi-working-group-meeting-2024

Beheraラボ所長

©CNR

用語解説
*

G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI)ワーキンググループ
2016年に英国の主導により専門家ワーキンググループとして立ち上げ。同年のG7茨城・つくば科学技術大臣会合において「海洋の未来」が取り上げられ、①海洋観測の強化、②海洋環境アセスメントの強化、③データ共有の推進、④能力構築の推進、⑤政策協力の5つのアクション(2024年に、①海洋観測の強化、②デジタルインフラとデータ互換性の推進、③海洋環境の分析と予測、④能力構築の推進、⑤政策協力の推進に改定)が支持され、G7科学技術実務者(シェルパ)会合の下でFSOIワーキンググループの活動を継続することが合意されました。現G7議長国と次期G7議長国がワーキンググループ共同議長を務め、G7メンバー間の調整機能を担うFSOIコーディネーションセンターを英国とEUがホストしています。日本では、NFPを務める文部科学省研究開発局海洋地球課及び関係省庁・機関が連携して取り組んでいます。JAMSTECは、FSOI関連活動にNFP科学アドバイザー(増田周平 地球環境部門(RIGC: Research Institute for Global Change)部門長)を含む専門家を派遣しています。

**

OneArgo
OneArgoは、自動昇降型観測ブイを用いた全球海洋観測網であり、海洋深層までの物理的および生物地球化学的状態を準リアルタイムで把握することを目的とします。2030年までの観測網構築完成を目指し、国際的な努力が重ねられています。

***

2024年ワークプランで定められた各トピック
日本は、「北極域海洋観測」のリード、「OneArgo」と「海洋のデジタルツイン」の共同リードを務めました。「北極域海洋観測」は菊地隆 RIGC北極環境変動総合研究センター・センター長、「OneArgo」は須賀利雄 変動海洋エコシステム高等研究所・研究所長、細田滋毅 RIGC海洋観測研究センター全球海洋環境研究グループ・グループリーダー、飯島瑞枝 経営企画部国際課・事務副主幹、「海洋のデジタルツイン」は石川洋一 付加価値情報創生部門(VAiG: Research Institute for Value-Added-Information Generation)地球情報科学技術センター・センター長、Swadhin Behera VAiGアプリケーションラボ・ラボ所長、山田亜紀子 VAiG地球情報科学技術センター・事務副主幹、杉山真人 研究推進部推進第二課・課長代理が、他のG7メンバーの専門家等と協力し、それぞれのトピックにおける会期間の議論とG7 FSOIワーキンググループへの提言を取りまとめました。

また、日本がメンバーとなっている「海洋研究インフラの統合と連携」国際ワークショップに植木巌 RIGC大気海洋相互作用研究センター海洋気候研究グループ・グループリーダー、「ガバナンス、調整及び持続的な資金調達」オンラインワークショップに磯野哲郎 経営企画部・部長がそれぞれ参加し、議論に貢献しました。