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出口センター長が第50回井上春成賞を受賞
深海の極限環境から着想を得た革新的プロセスが社会課題の解決に貢献

2025.08.19

生命理工学センターの出口センター長が、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社と共同で取り組んだ「深海環境から着想を得た乳化剤の連続生産方法と高機能食品添加物への応用」の業績により、第50回井上春成賞を受賞しました。

井上春成賞は、工業技術庁初代長官として日本の科学技術の発展に大きく寄与した井上春成氏の功績を顕彰し、1976年に創設された賞です。大学や研究機関による独創的な学術成果を基に、企業が開発・事業化した技術のうち、科学技術の進展や快適な社会の形成、経済の発展、健康・福祉の向上に顕著に貢献したものを対象として、研究者および企業を表彰する制度です。

今回の受賞は、深海という極限環境に着想を得た革新的な発想と製造技術を融合させた産学連携の成果として、食品用乳化多糖を高機能化する連続生産プロセスを開発・実用化したことが評価されたものです。

本プロセスにより製造された乳化多糖は、現在、食品用色素や香料に利用されており、それらを使用した様々な飲料が国内市場に流通しています。今後は、介護食や栄養補助・機能性食品向けへの応用も見込まれており、超高齢社会における生活の質の向上や健康維持への貢献が期待されています。

この成果は、深海を「科学技術のインスピレーション源」と捉える「深海インスパイアード化学」のアプローチが、現実社会の課題に対して実効性を持つ解決策を生み出せることを示した初の事例となりました。

贈呈式は、井上春成賞の創立50周年記念式典とあわせて、7月14日に日本工業倶楽部会館にて行われました。

詳しくはこちら:
https://inouesho.jp/jyusyou/50/index.html

前列右から2人目が出口センター長