知ろう!記者に発表した最新研究

2009年6月26日発表
地球深部探査船「ちきゅう」速報!
地球深部探査船「ちきゅう」ライザー掘削くっさく開始!

地球深部探査船「ちきゅう」がライザー掘削くっさくという方法で、和歌山県紀伊半島沖の海の底をり始めました。今回の計画は、「ちきゅう」にとってきびしい条件がそろっています。なぜなら和歌山県紀伊半島沖は、黒潮くろしおというとても速い海流が流れるとともに、海を大あれにする台風の通り道でもあるためです。さらに海の深さは2,000mもあります。長い間同じ場所にとどまって海の底を掘る作業には、とうてい適しているとは言えません。このような環境かんきょうでライザー掘削を科学のために行った掘削船は、「ちきゅう」が世界で初めてです。「ちきゅう」は逆境にも負けず、海の底から深さ1,600mを目指して順調に掘り進んでいます!(図1


図1:「ちきゅう」がライザー掘削を行っている所( NT2-11)

ライザー掘削ってなに? 地球の内部をふか〜く掘り下げることができる方法です

砂浜であなを掘った時、海水がしみて穴がくずれてしまったことはありませんか?海の底でも同じように、ふつうに掘るだけではあな解説)はくずれやすくなってしまいます。孔がくずれるのを防ぎながら深く掘れるのが、ライザー掘削という方法です。(図2


写真:ライザーパイプを海におろしているようす。
今回は、約80本のライザーパイプをつなげます。

ビッグニュースをお伝えできるように、研究者も技術者もみんながんばっています。注目してくださいね!


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解説が入る

解説:「あな」と「あな」のちがい

穴:底のあるあなやくぼみを指します。公園の砂場を掘ってできたあなには、「穴」を使います。

孔:掘ってつきぬけた(貫通かんつうした)あなを指します。掘削作業では、プレートをつきぬけようと深く掘り下げるので、「孔」を使います。