海域断層情報サイト

プロジェクト紹介

陸上における断層の調査は空中写真や現地での測量などの様々な手法によって実施され、統一的基準で作成された断層カタログに基づき、これまで国内全域を対象に断層の長期評価等のハザード評価が進められています。

一方、日本周辺海域においてはJAMSTECや海上保安庁などの複数の機関により海底下構造探査などが行われ、断層を含めた海底下構造に関するデータが取得されてきていますが、探査手法やデータ解析手法が各機関で異なりデータの精度や解析結果に違いがあることから、断層分布については同じ海域でも複数の解釈が存在するのが実状です。 したがって、海域の断層については、陸域の断層カタログのような統一的基準でまとめられた情報がありません。

こうした状況に鑑みて、文部科学省では、平成25年度より日本周辺海域の断層情報を統一的な基準で整備し、津波ハザード評価のための基礎資料を提供することを目的とした研究開発プロジェクト「海域における断層情報総合評価プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)を開始しました。JAMSTEC海域断層情報総合評価グループは受託研究機関として、海域断層に関する競う調査結果の収集及び海域断層データベースの構築、海域における既往探査データ等の解釈および統一的断層解釈を実施しました。

本プロジェクトでは、これまで複数の機関で取得されている海底下構造に関するデータ (海底地形情報や地震探査データ等)を収集し、それらのうち処理前の反射法探査データや処理済ではあるものの古い反射法探査データについては統一的解析フローに基づく最新のデータ処理技術を適用し、地下構造イメージングの向上を図っています。海域断層は、こうした再解析された反射法探査記録断面上で統一的な評価基準のもと解釈され、これまで日本海(北海道西方海域~東北沖~新潟沖~北陸沖~山陰沖~九州北方海域)、九州西方~南西諸島海域、房総沖~伊豆小笠原諸島海域および南海トラフ海域(東海沖~紀伊半島沖~四国沖~宮崎沖)においてその分布と詳細が明らかになっています。

本サイトでは、本プロジェクトの成果である上記海域の断層分布と、そのトレース情報から作成された断層モデルを公開しています。