Leg2 NEW

2022年1月12日

  • 本航海でもクルーズレポート表紙コンテストが行われました。本航海を象徴する、あるいは世相を反映するユニークな作品4点の応募がありました。投票の結果、東京オリンピック2020で話題になったピクトグラム(象形文字)を使った作品(作品名:オリンピック新種目)が選ばれました。

  • 本多牧生


2022年1月2日

  • 植物プランクトンの基礎生産力実験のため、水槽で培養した海水を大量にろ過します。同時に実験海水に含まれる植物プランクトンの色素を測定するための試料もろ過して作成します。一度の実験で扱う海水試料は40個以上にもなり、ろ過後にはそれだけのボトルや器具の洗い物も発生します。おじさん一人ではどうにもならず、二人の若い助っ人にお手伝い頂いてます。彼女たちの頑張りで実験は滞りなく進んでいます。感謝。

  • 松本 和彦(JAMSTEC)


2022年1月1日

  • 元旦。初日の出、お雑煮とおせち。午後に予定している海洋観測を行うべく飲酒は我慢していましたが、海況は回復せず残念でした。船内ではお正月の雰囲気とルーチン業務が混在していて、それぞれの時間を過ごしています。

  • JAMSTEC創立50周年アニバーサリーイヤーのプレミアム切手を清水港近くの郵便局で手に入れ、家族に手紙を投函しました。「みらい」は噂に違わぬステキな船です。今航で吸収した知識と仲間と過ごした記憶は、私の未来へ生かしてゆきたいと野帳に書初めました。

  • 宮崎奈穂(東京海洋大学)


2021年12月31日

  • 大晦日。回航中の船内では平成最後の紅白歌合戦を放映中。生「ユーミン」、トリは「サザンオールスターズ」。この年の紅白は「嵐」の引退もあり印象的なものであった。

  • “なんだかんだ”言いながら、ほぼ毎年家族といっしょに紅白を視聴(娘は裏番組の「ガキ使」が観たいようだが…)。自分にとって思い出深い紅白は、朝ドラ「あまちゃん」があった年のもの。震災のために上京できなかったアイドル志望の橋本愛が遂に東京へ、そして突然紅白に登場、というドラマ出演者達による「寸劇」が行われ、ドラマ中のヒット曲「潮騒のメロディー」を薬師丸ひろ子と小泉今日子が歌った。「あまちゃん」ファンだった自分は涙ぐむほど感動した。

  • もう一つ印象的なものはまだ娘が小さかった頃のもの。アゲアゲダンスで若者に人気のあったDJ Ozmmaが歌っている最中、突然大勢の女性ダンサーが一斉に服を脱いでトップレスに!実際はTシャツを着ていたのだが、まさに放送事故もの。カメラは切り替えられず、司会者も絶句。自分は娘が見ないようにテレビの前に立ち塞がったのを覚えている。

  • 本多 牧生


2021年12月30日

  • 悪天候でのXCTDによる低気圧性渦観測,無事完遂しました.風もいい感じで吹いていたし,いいデータがとれたと思います.揺れる調査指揮室での長い観測,本当にありがとうございました.

  • 一発目の直後にアネロンを飲んでおいてよかったです.

  • 永野憲(JAMSTEC)

心強い味方です
心強い味方です

2021年12月28日

  • 陸では大寒波により各地で暴風雪とのことですが、「みらい」も大時化に翻弄されています。今日の波高予測図では調査海域全体が真っ赤に染まっており、「観測なんてとんでもない」の海況です。窓から覗く海面は白波が逆巻き、時折船首がドーンと音を立てながら大波を打ちつけています。波高計のデータに目をやれば、なんと9.11 m・・・。シンガポールのマーライオンがすっぽりおさまる高さです。

  • 今日は観測計画の練り直しで一日が終わりました。明日の一日だけは観測のチャンスがある見込みです。

  • 喜多村稔

観測なんてとんでもない、の予報図
観測なんてとんでもない、の予報図

こりゃ無理だ
こりゃ無理だ
波高9.11m
波高9.11m

2021年12月27日

  • 同室の浦上ちゃんが表層海水室から居室まで(2階分の階段のぼります)背負子を使って約20 kgの海水を運んでいる私の姿を見ると、、、

  • 「本を持っていたら二宮金次郎みたい!」と言いました。

  • そんな彼女は二宮金次郎になりたいと言い、手伝ってくれました。ありがとう(笑)

  • 時々、なんか変なものを背負っているのは私です。不審者と思わず温かい目で見守ってください。この背負子で筋トレをしている毎日です。いい汗がかけます。ジムがありますが、普段運動をしていない私にとってはこれで十分です。

  • 時化が多く揺れもすごいので、今後も怪我をしないように気を付けて頑張ります!

  • 田中さき(金沢大学大学院自然科学研究科)

二宮金次郎の真似をする浦上ちゃん
二宮金次郎の真似をする浦上ちゃん

2021年12月26日

  • やっと船内を迷子にならずにウロウロできるようになった最近、私は基本的にセミドライラボで松本さんのお手伝いをしています。毎日大量の海水を濾過して、フィルターを処理して、洗い物をして、、、最近やっと慣れてきました。中でも濾過後のフィルター処理は手強かったです。最初は上手く出来ずモヤモヤしていましたが、何とか様になったのではないでしょうか。

  • フィルターがこんなにも小さくなると、何とも愛おしいですね。

  • 今色々やっている実験からどういう結果が出てくるのか、最後まで見届けられないのは残念ですが、松本さんが喜ぶような結果が出ることを期待しています。

  • そして、私は油島さんの影響で鳥と哺乳類に詳しくなりました。そろそろコアホウドリとクロアシアホウドリ以外の鳥が見たいです。

  • 野村美帆(神戸大学 海事科学研究科)


2021年12月25日

  • 悪天候下での係留系設置の作業中、突如として背後から「ブシュ――!!!」という大きな音が聞こえ、その直後に首と肩が圧迫される感覚が。一瞬、「何か事故が!?」と思い焦りましたが、実際は写真の通り僕の救命胴衣が膨らんだだけでした。。。本来は落水したときに水分を感知して膨らむはずのものが、雨水のせいで誤作動してしまったようです。

  • かなり驚かされましたがどうやらなかなか珍しいことらしく、実はこの救命胴衣がどのように作動するのか少し気になっていたので、僕にとってはラッキーな体験となりました。(もちろんわざとではありません)

  • ライラ笑太(琉球大学理学部海洋自然科学科)


2021年12月24日 「みらい」にも来てくれたよ、サンタさん

  • クリスマスディナーをいただいた後、みんなで写真を撮りました。

  • メニュー表にはなかった「モンブラン」! 航海が始まって1週間が経ち、贅沢スイーツを食べたくなっていたので嬉しかったなぁ。

  • 宮崎奈穂(東京海洋大学)


2021年12月24日 今年のクリスマスの贈り物

  • 2021年3月から12月の間、水深1800mと4900mに設置したセジメントトラップで時系列的に捕集された沈降粒子。

  • 本多牧生


2021年12月23日 その2

  • マイクロプラスチック採集のために曳いているネットで、今回採れたのはなんと軽石です。朝から雨の中で寒さに震えながらの観測でしたが、普段とは違うものが見れて少しだけテンションが上がりました。

  • 沖縄の海ではもう見飽きてしまった軽石ですが環境が変わるとまた新鮮に感じるもので、小さな生物が付着している様子などが面白く、しばらく見入ってしまいました。

  • 琉球大学理学部海洋自然科学科 ライラ笑太

マイクロプラスチック採集のために曳いているネットで、今回採れた軽石

2021年12月23日 その1

  • 最初はみらいの大きさにびっくりし、どこにいるのかも分からず船内で迷ってばかりでした。今では慣れてきて迷うことはなくなりました。

  • 本航海では海水中の多環芳香族炭化水素類(PAHs)を見るために、表層海水室で採水した後、濾過しています。表層海水室は船の先端付近にあり、あまり人が来ません。ちょっと寂しい。

  • そんな私の濾過中の楽しみは、カメラから他の観測を行っている人たちの人間観察です。意外とずっと見ていられます。明日も濾過。人が遊びに来るのを待っています。

  • 金沢大学大学院自然科学研究科 田中さき

表層海水室

2021年12月22日

  • We are back on the MIRAI! After the MR21-01 cruise, it’s our second time in 2021 already. Coming back, all looks and smells so familiar. The mixture of metal, oil, the exhaust from the engine, the smell of food, and the ocean.

  • On the first cruise, we brought a customized EM27/SUN Fourier Transform Infrared Spectrometer to test its performance for measuring column-averaged mixing ratios of CO2, CH4, and CO. Our aim is to set up this instrument permanently on cargo ships. We want to provide a continuous ground-based dataset for satellite validation over open ocean areas.

  • This time, we brought the updated EM27/SUN setup. And in addition, we also brought a CRDS (Picarro G2401) system which measures the same species as the EM27/SUN setup, but at sea-level. Thanks to Tohjima-san and Miyakawa-san, the CRDS system was already installed before Leg1 of this cruise. Luckily, it keeps running without any problems.

CRDS system keeps running without problems.
CRDS system keeps running without problems.

  • The EM27/SUN installation is more challenging. The challenge started with the loading. How to bring a 90 kg box onto the navigation deck without crane? Solution: disassembling everything into small pieces and hoping for (at least partly) non-rainy weather. Kitamura-san and the crew gave us their helping hands. Thanks for the great woman-/ manpower!

Disassembled EM27-ship setup.
Disassembled EM27-ship setup.

  • And then the exiting moment. Power on…Are all cables connected correctly? …. Juchuuu, the box is working! We mastered the first challenge of this journey successfully.

  • From now on, we keep wishing for clear sky and sunny conditions. However, it seems as if the clouds and the big radar of the MIRAI like to play tricks on us and try their best to cast a shadow on our box….

  • Let’s see who wins….

  • Astrid Mueller

Ready to measure. Freshly deployed EM27-ship setup.
Ready to measure. Freshly deployed EM27-ship setup.

2021年12月21日

  • みらいにはジュースの自販機が設置されていて、暑い南の航海では結構お世話になります。このこと自体はブログネタとして紹介済みだと思いますが、今航の船内webの一番最初に「○ァ○○ シャインマスカット味を数量限定で販売中です。」と言うお知らせを見つけ、さっそく買いに走りました。実は最近、最寄りのスーパーマーケットにシャインマスカットなるものを数回見かけ、その度に「マスカットと何が違うの?」とつぶやき、気になっていたところです。購入すると、見た目はこんな感じ。「ボトルちっちゃ」(内容量410 mL)とかるく悪態をつきながらキャップを開けたところ、爽やかな甘い香りがして、期待感が爆あがり。で、飲んでみた感想は、すごーく美味しいブドウの味でした。。。実はシャイン未経験者で、普通のマスカットも10年以上食べてません。きっとシャインのマスカットの味なんでしょう。でも本当に美味しかったので、飲んでない人にはおすすめです。ちなみに翌日はドクター○ッ○ーを美味しくいただきました。

  • 名古屋大 三野義尚

「○ァ○○ シャインマスカット味」と「ドクター○ッ○ー」

2021年12月20日 その2

  • Leg2航海で2回目のマイクロプラスチック採集。海表面をすくうように浮かせたネットを1.5ノットの速度で20分間ひっぱる。これだけのマイクロプラスチックが採取された。

  • 中嶋亮太

ガラスのサンプル瓶に入れたプラスチックゴミ。瓶の内径は約7センチ。
ガラスのサンプル瓶に入れたプラスチックゴミ。瓶の内径は約7センチ。

2021年12月20日 その1

  • 本航海、最初のproduct:レゴブロックで製作したセジメントトラップ。製作時間7時間。

  • 本多

レゴブロックで製作したセジメントトラップ

2021年12月19日

  • 昨日はえらい目に遭いました。

    出航後、初乗船の私は時化の洗礼を受け早速ダウン。「みらいは大きいから揺れない」という誰かの言葉を鵜呑みにし、出航前にアネロン(酔い止め薬)を飲まなかったことをひどく後悔。何度飲んでも出ていくアネロンに4度挑み、全敗。死にかけていたところで中嶋さんから漢方の酔い止め薬をいただき、なんとか黙って寝ていられる状態まで回復して1日を終えました。

  • そして今日、昨日とは打って変わって元気に1日を過ごすことができました。昨日の私はなんだったのでしょうか。そして酔っていない状態での同級生たちとの集団生活は楽しいものですね。

  • 漢方薬をくださった中嶋さん、1日お世話してくれた田中、飴をくれたり気にかけて声をかけたりしてくださった方々、本当にありがとうございました。

    明後日から有孔虫たくさん拾うぞ〜〜

  • 今日の学び「アネロンは酔ってから飲んでも遅い」

  • 金沢大学大学院自然科学研究科 浦上美沙樹

出航直後に撮った富士山、この時はまだ良かった・・・・
出航直後に撮った富士山、この時はまだ良かった・・・・

2021年12月18日

  • 3週間の陸上生活を挟み、再び「みらい」に戻ってきました。本日9:00出航、Leg2は年越し航海で、クリスマスも観測、大晦日も観測、お正月も観測。

  • 昨晩の強風は峠を越し、朝焼けの清水港は比較的穏やかです。ただ、沖に出れば、まだ時化ているでしょう。Leg1は海況に恵まれましたが、Leg2航海の運命やいかに。1月13日の帰港まで、折々の様子を綴っていきたいと思います。

  • 喜多村 稔

朝焼けの清水港
朝焼けの清水港

Leg1

2021年11月27日

  • 朝9:00「みらい」は25日間の航海を終え、清水港に帰港しました。富士山の冠雪が意外に少ないのが印象的です。

  • Leg2出航まで3週間、しばし陸での休息となります。さて、家に帰りますか。追分羊羹、黒大奴、ようかんパン、ちびまる子ちゃん煎餅がお土産に欲しいとリクエストされています。

  • 喜多村

25日ぶりの富士山と清水港(撮影:小川萌日香(北海道大学))
25日ぶりの富士山と清水港
撮影:小川萌日香(北海道大学)

2021年11月26日

  • 今朝から軽石の漂流が認められています。福徳岡ノ場の噴火によって生じたものが、沖縄近海を経て黒潮に乗って流れてきたのでしょう。航海出港時に船長と「影響あるかも」と話していましたし、船内で配信される共同通信ニュースにも「伊豆諸島でも軽石の漂着あり」とありましたので、もしかしたらとは思っていましたが。幸いにもさほど密度は高くなく、おそらく極表層に浮いているのみなのでしょう、船の航行には今のところ支障はありません。

  • 本日も波・風強い状況が続いていますが、少し航走スピードが上がってきました。明朝9時には予定通り清水港に入港出来そうです。

  • 喜多村

撮影:小川萌日香(北海道大学)
撮影:小川萌日香(北海道大学)

2021年11月24日 最後の試練

  • 調査もあと数日となった今日ですが,昨日に引き続き,大時化に見舞われております.一時船内は歩けないほど揺れていました.最後の試練です.波は7mほどあり,予定していた渦の観測点でのネット調査は中止に...そんな中,北大の目視チームは本日もなんとか目視観測を行いました.

  • 時化は一向におさまる気配がありませんが,正面から叩きつける波で上がる飛沫はとても迫力があります.

正面から叩きつける波で上がる飛沫

  • この大波の中,漂流ゴミを見つけ出すのはとても大変でしたが,発泡スチロールやペットボトルなどの浮かぶものはいくつか発見できました.しかし鯨類は本日も発見ならず...明日こそ発見したいです!

  • 今日は雲はそれほど多くなく,時々虹を見ることができました.虹に向かって進むみらいの写真です.海上で見る虹は,ビルや木に遮られることなく全体が綺麗に見えていいですね.

  • 小川萌日香(北海道大学)

虹に向かって進むみらい

2021年11月23日

  • ここまで良い海況が続いてきました。すんなり観測を終えて4日後の清水入港を迎えることが出来るのかと思いきや、そうは問屋が卸さないようです。最後の渦観測点で大時化です。計14点のXCTD観測は出来ましたが、5測点で予定していたネット曳網・MOF(多目的小型観測フロート)投入等の観測は、夜中に少し風・波がおさまったタイミングで渦中央部においてのみ実施出来ました。お天気にはあらがえませんので致し方ない、Leg2で再訪したときの楽しみに取っておきましょう。観測海域を離脱して清水へ向かうも、向かい風で速力が上がりません。

  • 本航海には「初めて船に乗った」という学生さんが二人参加していますが、普通にご飯を食べていましたね。外洋域での観測活動に適性があるようです。

  • 喜多村 稔

波高分布:「みらい」は図中の赤丸の位置におり、波高5m超・・・
波高分布:「みらい」は図中の赤丸の位置におり、波高5m超・・・

2021年11月22日

  • 今日は一日航走です。これまでの写真をギャラリー風に。

キムワイプ(撮影:岡田史音)
キムワイプ(撮影:岡田史音)
NORPACネット(撮影:渡健介)
NORPACネット(撮影:渡健介)
闘うニューストンネット(撮影:岡田史音)
闘うニューストンネット(撮影:岡田史音)
黄昏CTD(撮影:渡健介)
黄昏CTD(撮影:渡健介)
クリーン採水(撮影:喜多村稔)
クリーン採水(撮影:喜多村稔)
むこうは雨(撮影:喜多村稔)
むこうは雨(撮影:喜多村稔)
有殻の動物プランクトンたち(撮影:橋本佑哉)
有殻の動物プランクトンたち(撮影:橋本佑哉)
「みらい」と並んで(撮影:岡田史音)
「みらい」と並んで(撮影:岡田史音)
追いかけて(撮影:星野広志)
追いかけて(撮影:星野広志)

2021年11月21日

  • 本航海は途中で一度時化に遭い、観測点を1点飛ばしましたが、その後は良い天気が続いています。乗船者それぞれの日頃の行いが良かったようです。この航海ブログのシリーズでは、時化の話題は人気があるそうですが、本航海ではそういった定番ネタをご提供できないかも。でもそっちの方が良いのです。

  • 今日は飛ばしていた1測点を再訪し、これでLeg1において計画していた15測点での観測を行うことが出来ました。それぞれの作業にも慣れてきて余計な時間がかからなくなったこともあり、時間的な余裕が出来ています。そこで、Leg2で詳しく観測する予定の低気圧性中規模渦に向かい、事前調査を行うこととします。そこでは3台目のMOF(多目的小型観測フロート)を投入し、Leg2で我々が再訪するまでの間、お留守番観測をしていてもらおうと思っています。

  • 喜多村 稔

青い海にはCTDが映えます。
青い海にはCTDが映えます。

2021年11月20日

  • 「みらい」は現在、本州東方のはるか沖合を航行していますが、数日前に船首で休むフクロウを発見!フクロウは闇夜の森の住人というイメージでしたが、こんなところで出会うとは・・・。詳しい方に伺ったところ、コミミズクという種で冬場に日本にやってくる渡り鳥だそうです。その後、姿が見えなくなりましたが、無事に目的地に辿り着けたかなあ。

  • 喜多村 稔

「みらい」に現れたコミミズク(撮影:次席2等航海士)
「みらい」に現れたコミミズク(撮影:次席2等航海士)

2021年11月19日

  • 昨日までに、航海最初に投入したMOF(多目的小型観測フロート)の観測回数が93回に達しました。荒れた海でも健気に観測を続けてくれるMOFは観測の自動化、省人化のための機器として、これからも開発と運用が続けられる予定です。MOFがたくさん活躍してくれると嬉しいな~。

  • JAMSTECでは、観測活動に加えて、様々な観測機器の開発を行い、海の環境変動の理解に貢献していきます。

  • 渡健介(MarE3)

こちらは11/14に投入した2台目のMOFです。
こちらは11/14に投入した2台目のMOFです。

2021年11月18日

  • 現在北海道大学に所属し,海洋プラスチックの研究を行っている博士1年の小川萌日香です.普段は北海道沿岸で鯨類や海洋ゴミの目視観測,プラスチック採取のための採水調査を行っています.

  • 本日も私たち北大チームは日の出1時間後から日没1時間前まで鯨類と大型漂流ゴミの目視観測を行いました.北緯25〜30度くらいまであまり見られなかった漂流ゴミも,北上するに連れてだんだんと増えてきました.沿岸海域と比べると,漁具などの大型のゴミが目立つかな?という気がします.今日だけで181のゴミが観察され,漁具もいくつか見られました.本航海に参加する前は,外洋はそこまでゴミは多くないだろうと思っていましたが,想像以上にたくさんのゴミが観察されて日々驚いています.

ゴミ
ゴミ

  • ゴミばかりでなかなかクジラが現れないなあ...と思っていたその時,正面2kmほど先にブローを発見!今回は背鰭も見えるほど近距離での発見でした.

  • その後船の真横500mくらいまできて,近くで観察することができました.写真で確認できるのは1個体ですが,観察されたのは2頭のマッコウクジラです.親子でしょうか?
    最近の発見はマッコウクジラばかりですが,海に浮かぶ大きな体とブローは何度見ても飽きません.(他のヒゲクジラも見たいなあという気持ちが少しだけあります笑 )

  • 1日8時間と長時間の目視観測ですが,鯨類が観察されると時間は一瞬に感じられます

  • 本調査も残すところ約1週間となりました.残りの調査期間も探鯨頑張ります!

  • 小川萌日香(北海道大学)

マッコウ
マッコウ

2021年11月17日

  • 私は臨時研究補助員として乗船し、観測や研究の補助をしています。その中でも、日課のようにほぼ毎日行っている作業の一つが表層海水のろ過です。海水がそのまま流れてくる水道の先にろ過器を取り付け、毎日フィルターのセットや交換を行います。こうして得られたサンプルを陸に持ち帰って処理し、海水中のマイクロプラスチックなどを分析するそうです。とても単調な作業に思えますが、船のいる場所によってろ過後のフィルターの詰まり具合や色、引っかかっているモノにはっきりとした違いがあり、毎日新たな発見が得られます。

  • 他にも、初乗船の私にとっては船内での生活や作業、研究者の方々のお話など全てが新鮮で、みなさんにお世話になりながら充実した日々を過ごさせていただいています。

  • ライラ笑太(琉球大学)


2021年11月16日

  • 11月13日の続編をお届けします。

  • 船上で約80リットルの海水を濃縮した樹脂は陸上の実験室に持ち帰り、その中に含まれる放射性セシウムを測定します。
    先にお話したように放射性セシウムは時間経過とともに減少しますが、これは放射性セシウムが他の物質に変化することによって起こります(これを放射壊変といいます)。放射性セシウムが変化するときに放出されるエネルギーの強さを計測することで、その総量を求めます。樹脂のなかに含まれる放射性セシウムは僅かですので、長い時間測定しなければなりません(最長で2週間程度)。長い測定中には、放射性セシウムからの信号だけでなく、その他の物質からの信号も計測されてしまいます(これを妨害物質といいます)。そのなかでも、宇宙から地球上に届く宇宙線は代表的な妨害物質です。

  • 写真は、金沢大学低レベル放射能実験施設の尾小屋地下測定室の入口の様子です。この入口から数百メートル進んだ地下135メートルに、放射性セシウムを計測するための装置が置かれています。

  • この地下実験室では、宇宙線の影響がほとんどありません。さらに測定装置を鉛ブロックで覆うことで、わずかな宇宙線の影響も取り除いています。鉛ブロックは宇宙線を遮ってくれますが、それ自身にも測定を妨げる放射性物質が含まれています。
    実は、この尾小屋地下測定室で使われている鉛ブロックは、金沢城で使われてた古い鉛瓦を再利用しています。そのため、その中に含まれる放射性物質は非常に少なく、理想的な遮蔽体となっています。

  • このような「静かな」環境で、海水中に含まれる微量の放射性セシウム濃度は測定されています。

  • JAMSTEC 熊本雄一郎


2021年11月15日

  • 本研究では、動物プランクトン中の放射性セシウム濃度に関しても測定を行う予定です。そこで、海水中の放射性セシウム濃度を測定する観測点において、動物プランクトン採集も実施しました。福島第一原発事故から10年がたち、動物プランクトン中の放射性セシウム濃度も低下していると予想されるため、プランクトン試料は沢山集める必要があります。本航海では、網口の直径が1.6m、ネットの長さが8mのORIネットを使って夜間に採集を行いました。

  • 2時間の曳網の後にネットをデッキに引き上げてみると、なんと深海性のサメが採集されていました。詳しい方に聞いたところ、ダルマザメとのことです。このサメによりネットが2ヶ所破られており、補修が必要でした・・・

  • (喜多村稔)

ネット揚収、沢山とれたかな?(撮影:渡健介)
ネット揚収、沢山とれたかな?(撮影:渡健介)
サメが捕れるとは・・・・(撮影:渡健介)
サメが捕れるとは・・・・(撮影:渡健介)

2021年11月14日


2021年11月13日

  • 2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、原子炉内の放射性物質が北太平洋に放出されました。放射性物質は、時間の経過とともに減少する性質があります。しかし放射性セシウムと呼ばれる放射性物質は比較的ゆっくりとしか減少しませんので、事故由来の放射性セシウムは事故から10年以上を経過した現在でも北太平洋に残っています。この航海では福島第一原発から約2000㎞離れた北太平洋の外洋域で海水を採取して、その中に含まれている事故起源放射性セシウムの濃度を測定します。それによって、過去10年間に放射性セシウムがどのように北太平洋に広がってきたのかを明らかにします。

  • 残っているとは言っても、北太平洋外洋域の海水中放射性セシウムは極めて低濃度です(1ミリベクレル/リットル以下)。そのため、約80リットルの海水の中の放射性セシウムを特殊な樹脂に吸着濃縮させます。写真は、80リットルの海水をポンプを使ってゆっくりと樹脂の入った小さなチューブの中を通過させている様子です。白いタンク中に溜めている通過した海水は、船上で捨てます。チューブに入った樹脂(約1グラム)だけを陸上の実験室に持ち帰り、その中に吸着濃縮された放射性セシウムを測定します。

  • JAMSTEC 熊本雄一郎


2021年11月12日

  • Air temperature is getting higher as we gradually sailing to the south, every morning I could feel the heat wave permeating the door between the navigation deck and upper bridge. Honestly, it needs a little bit of courage to go outdoors but think of the exciting moment to meet some marine mammals at sea, believe me, you will get enough energy to conduct the visual survey.

  • After searching for hours, a blow was observed, which is a sign of whales!
    From the blow shape and the bodies above waters we recognized they were Sperm Whales. At first, we thought there were only two individuals, surprisingly, three were found when we checked the photos! While we searching around, another blow was observed on the horizon. Four sperm whales were observed in a total. It’s nice to meet the species we have seen before in the northern waters. Although they are the only observations we found in a day, having one is better than nothing~

  • Thanks to the officers on MIRAI as they help to adjust the direction and ship speed so that we could get closer and confirm the species in a proper distance. Conducting a visual survey, especially under the midday sun, without any shades on the upper bridge made me sunburned… Strong wind at the sea easily made people ignore the ultraviolet radiation and tomorrow it’s necessary to find a better way to prevent us from the sunburned or sunstroke.

  • Good luck to those researchers who are conducting the in-situ observations at station :)
    Tomorrow hope we could meet some marine mammals at sea~

  • 李 何萍(北海道大学)


2021年11月11日

  • MR21-06航海では南北の観測ラインを計6本設定しています。本日、北緯25度の測点に到着し、1本目の測線観測を終了しました。途中で時化て測点3をスキップしていますが、帰りがけに拾って帰れるでしょう。測点間の航走時には、日中は鯨類および大型漂流ゴミの目視観測をしています。目視観測の1人は、清水出航からここまでウミガメを2回見たとのこと。

  • 良いな〜

  • 長いこと船に乗っていますが、航海時にウミガメを見たことはありません。一度、見てみたいものです。ただ、「みらい」にはウミガメに出会うと凶というジンクスがあるとか(海洋地球研究船「みらい」とっておきの空と海、幻冬舎)。柏〇さ〜ん、トラブルをウミガメのせいにするなんてひどいぢゃないですか。

  • (喜多村 稔)

みらい写真集
みらい写真集

2021年11月10日

  • 本日は,晴れましたが,昨日からの風が残りブリッジからの観測となりました.昨日までアホウドリの仲間がみられていましたが,今日からはカツオドリの仲間がみられるようになり,南に来たことを実感します.カツオドリは船着きになり,よく糞をするためブリッジの方は窓掃除を頻繁に行っていました.

  • 鯨類は,最近一日一群観察できるかできないか,なので余り打率が良くありません.しかし,いつも観察している北の鯨類とは違う南のイルカやゴンドウ類がみられるので楽しみです.反面,普段見慣れない鯨類なので種同定がなかなか難しいです.

  • 古巻 史穂(北海道大学大学院環境科学院)

60-70頭のカズハゴンドウらしいクジラの群れ
60-70頭のカズハゴンドウらしいクジラの群れ

2021年11月9日

  • 本日は本航海初の時化に見舞われた日となりました。ピーク時の波高は5 mを越え、予定されていたSt. 3での観測がスキップとなる中で、初乗船の私には様々な試練がありました。まずはやはり船酔いです。乗船から1週間が経ち、通常時の船の揺動ではびくともしなくなってきましたがこれには耐えられず・・・。

  • そんな中、NORPACネットを用いて採集した新鮮な浮遊性有孔虫を拾い出さなければならない使命 (私の乗船課題) があったため、船酔いと闘いながらも揺れ動く顕微鏡下のプランクトン達と必死に戯れていました。次の試練は揺動による机上物の落下です。ここまでとは思っていなかったため、放置していた物たちがあれやこれやと転げ落ちそうに (水の入ったビーカー等)。ここは首席研究者の喜多村さんに手助け頂き、未然に防ぐことができました。

  • 今回、初めての乗船かつ単独の身で乗り込んでいるため、他研究者、乗組員の方々には本当に助けていただきました。まだまだ航海は続きますので、後悔の無いように存分に経験を積みたいと思います。

  • 橋本佑哉(金沢大学大学院自然科学研究科自然システム学専攻)

実際に観察した浮遊性有孔虫です。石灰質の殻を形成する際に周囲の海水から微量元素等を取り込むことから、その殻にはその当時の海を生きた証拠が詰まっています。
実際に観察した浮遊性有孔虫です。石灰質の殻を形成する際に周囲の海水から微量元素等を取り込むことから、その殻にはその当時の海を生きた証拠が詰まっています。

2021年11月8日

  • 現場ろ過器を投入。これは海中の粒子を吸い込んでフィルターに集めることが出来る装置。耐圧性能5000mのデュアルフィルターヴァージョン(フィルターが2つつけられるってこと)。

  • 今回の使用目的は、海中に漂う超微小なマイクロプラスチックを採取すること。ターゲットは1.5マイクロメートル以上。小さなプラ粒子は空気中にもいっぱいあるから、コンタミがないように入念にフィルターのセットアップをする(正直かなり面…)。海中に投入後、タイマーが作動してポンプが始動、海中の粒子を吸い込み始める。1−2時間で〜1000リットルろ過できるから、採水器で水を船上に持ち帰ってろ過するよりずっと効率がいい。

  • ところで耐圧5000mだけど今回何メートルまで下ろしましたかって?初回なので今回は5mです….

  • 中嶋亮太

他の観測と違って「たくさん採れますように」とはお願いしにくいです・・・
他の観測と違って「たくさん採れますように」とはお願いしにくいです・・・

2021年11月7日

  • 11月7日、Stn. 1にてクリーン採水を実施し、表層50 m~1500 mの海水中の水銀・メチル水銀濃度分析用試料とDNA・RNA試料を取得しました。

  • 海水中の水銀は極微量にしか存在していないので、外部からのコンタミネーションを防ぐために、樹脂ケーブルやテフロンコートX-ニスキンボトル、クリーン環境での採水が必要です。本航海ではクリーンラボコンテナを搭載し、極力、微量金属のコンタミが少ない環境で採水を実施しています。

  • 多田(国立水俣病総合研究センター)

クリーンラボコンテナ内で採水している様子。
クリーンラボコンテナ内で採水している様子。

2021年11月6日

  • 航海最初の観測はMOF(多目的小型観測フロート)による自動観測です。緑とピンクのMOFは、JAMSTECが開発した独自の観測機器です。
    海の中で 潜ったり浮かんだりを繰り返しながら、自動で塩分、水温、深度を測って、データを送ってくれます。

  • 今回は海の渦の真ん中でMOFを投入。頑張って観測してくれることを祈りつつ、みらいは次の観測点に向かいます。


  • (JAMSTEC 研究プラットフォーム運用開発部門技術開発部(MarE3)合同会社オフショアテクノロジーズ

まもなく投入 最初のデータ取得までは胃が痛い・・・
まもなく投入
最初のデータ取得までは胃が痛い・・・

2021年11月5日

  • 乗船直前、ホテルに隔離中のある日、運動不足を痛感してスクワットなど少々。そんなにハードに行った訳ではないのですが、膝が痛くなりました・・・。実は機材積込の日はちょっと痛かったの。出航して2日、やっと治りました。長く船に乗っていると色々なことがあります。

  • 慣れないことはやめよう

  • 喜多村

2021年11月4日

  • 「みらい」は東経160度へ向けて東進中。最初の観測点まで4日程度の航走を見込んでおり、航走中は鯨類と大型漂流ゴミの目視観測を行っています。鯨類の探索は双眼鏡を用いて行いますが、慣れない人には出来ません。普段は船酔いをしない私ですが、30分も双眼鏡を覗くと気持ち悪くなってしまいます。一緒に探したいけど、ちょっと無理・・・。今航海には目視観測を目的に3人が乗船し、日出1時間後から日没1時間前まで、ず〜〜〜〜っと観察なさっています。すごいねえ。

  • 喜多村

たくさんクジラが現れますように
たくさんクジラが現れますように

2021年11月3日

  • 「みらい」は11月3日10:00清水港より出航、MR21-06 Leg1航海が始まりました。乗船者は、5日間の事前隔離を行った後に乗船しています。ホテルにおける隔離で体がすっかりなまってしまいましたが、11月27日までの25日間を事故無く乗り切りたいと思います。

  • 出航直後、ハンドウイルカを見ることが出来ました。本航海では鯨類の目視観測も実施しますが、さっそくイルカに出会えて幸先が良い。天候は当面良さそうです。

  • 個人的な小さな目標:今航海は無精髭は生やさない。

  • 喜多村

出航を待つ「みらい」
出航を待つ「みらい」
出航する「みらい」(撮影:野口真希)
出航する「みらい」(撮影:野口真希)