SIP3 海洋安全保障プラットフォームの構築

Social Implementation

社会実装に向けて

"現在、SIP海洋プログラムでは、以下のような多岐にわたる取り組みを実施しています。

各府省庁連絡会による最新需要の掘り起こし

経済産業省、国土交通省、環境省、防衛装備庁などの各府省庁連絡会では、専門分野ごとの最新需要の掘り起こしを行っています。この連携は、各省庁の専門知識を活かし、海洋資源開発のニーズを正確に把握することを目的としています。また、これにより政策立案や技術開発の方向性を具体的に示すことが可能となり、各分野の協力体制が一層強化されます。

民間企業との共同研究開発

SIP海洋プログラムでは、民間企業と連携した共同研究開発を積極的に推進しています。具体的には、鉱物分離の新手法や小型安価AUV(自律型無人潜水機)の開発など、多岐にわたる技術分野での協力が進められています。これにより、最新の技術革新が社会に実装される速度が加速し、産業界全体の競争力向上に寄与しています。また、企業の持つ技術力と研究機関の知見を融合させることで、新たな価値創造が期待されています。

スタートアップ企業との協働によるマッチングファンドのシステム設計

複数企業の出資により発足したスタートアップ企業との協働によるマッチングファンドのシステム設計も重要な取り組みの一つです。これにより、新興企業が持つ革新的なアイデアや技術を取り入れ、実用化に向けた支援を行っています。マッチングファンドは、資金提供だけでなく、技術的サポートや市場開拓の支援も含めた包括的な支援を行うことで、スタートアップ企業の成長を促進します。これにより、新たなビジネスモデルの創出や市場拡大が期待され、海洋産業全体の活性化に貢献します。

府省連携、産学官連携による課題推進

SIP海洋プログラムでは、府省連携および産学官連携を通じて課題を推進しています。具体的には、技術開発だけでなく、制度の整備、社会的受容性の向上、人材育成など、5つの視点から必要な取り組みを抽出し、それぞれの成熟度レベルを用いてロードマップを作成しています。これにより、各視点の進捗状況を可視化し、効率的に課題解決を図ることが可能となります。また、府省連携により、政策と技術開発の一体化が進み、産学官連携により、多様な知見やリソースを統合して課題解決を目指します。

社会実装の具体的な展望

SIP海洋プログラムでは、これらの取り組みを通じて得られた成果を社会実装するための具体的な展望も描いています。例えば、深海資源の効率的な探査技術や環境に配慮した生産技術の実用化を目指し、そのための実証試験やフィールドテストを実施しています。さらに、得られたデータを基にした新しいビジネスモデルの構築や、環境保全と経済発展の両立を図る取り組みも進められています。これにより、海洋資源の持続可能な利用と次世代のエネルギー供給体制の確立に寄与します。

これらの取り組みを通じて課題達成を加速するとともに、成果の社会実装を検討して参ります。SIP海洋プログラムは、技術開発と社会実装を一体的に推進し、海洋資源の持続可能な利用を実現することで、日本の安全保障と経済発展に大きく貢献することを目指しています。