江戸っ子1号とAUV(自律型無人探査機)の水中光通信試験に成功
2024年3月、長崎県伊王島北側の実証海域で「江戸っ子1号」とホバリング型AUV「ほばりん」との水中光通信による高速データ転送試験を実施し、成功を収めました。
試験では、水中音響通信・測位装置、観測用4K高精度カメラ機器を搭載した「江戸っ子1号T3型」を水深45mの海底に設置し、その後にAUV「ほばりん」を海中に投入しました。2種類の音響装置(USBL)を使用することで「江戸っ子1号」と「ほばりん」の相対位置の把握を行い、両者間の直接データ通信は最大通信速度100bpsの音響通信装置と、最大通信速度95Mbpsの可視光(緑色)レーザー通信を行いました。
荒天もあり試験できる時間は限られていましたが、水中を自律航走する「ほばりん」が距離4mまで接近し、「江戸っ子1号」へ向けた緑色レーザー光通信を行うことによって、「江戸っ子1号」内の動画データをAUV「ほばりん」に高速で転送することに成功しました。
今回の試験結果は、より水深の深い海底での「江戸っ子1号」とホバリング型AUV間での観測データの高速転送技術を構築するにあたり、大きな一歩となりうるものです。