新潟県岩船沖で「しんりゅう6000」によるパイプライン調査を実施

2024年9月、新潟県岩船沖でAUV「しんりゅう6000」を用いて海底のパイプラインの調査を実施しました。
自律型無人探査機(AUV)は、洋上風力発電をはじめとする海域利用に活用可能な技術として大きく期待されています。「しんりゅう6000」は水深6,000mまで対応できるAUVとして、これまで深海での調査においてその性能を発揮してきましたが、今回の調査海域は水深40mほどの沿岸域です。この調査を通して、「しんりゅう6000」を様々な状況で利活用する可能性を探りました。


通常の「しんりゅう6000」の調査では、JAMSTECの研究船に専用の投入・揚収装置と共に機体を搭載し、現場海域で運用します。今回の調査では、最寄りの漁港でクレーンを使用して「しんりゅう6000」の着水・揚収を行い、現場海域までの移動は現地の漁業船が曳航する、という新しい形式で運用を行いました。
期間中4回の潜航を行い、海底面やパイプライン埋設状況など、確認したい目的に合わせた航行パターンにより調査を行いました。その結果、埋設されているパイプラインのほか、周辺の漁礁(人工物)なども確認することができました。
また、協力してくださった地元への理解増進を深めるため、県内の小学校・中学校・大学において、今回の調査の目的や意義についての講義も実施しました。



今回実施したパイプライン調査によって、沿岸・浅海域という環境でも、また特殊な母船がない状況でも「しんりゅう6000」を運用できることが確認できました。この経験を活かして、より効率的な対象海域へのアプローチ方法など、沿岸・浅海域に適したAUVでの調査手法の確立を目指していきます。