GlyfinTMS

JAMSTECにおける糖鎖研究

 近年、糖鎖研究は飛躍的な進展を見せ、高等生物の病理学分野、生理学分野で次世代の基盤的研究分野として認識されつつあります。しかし、海洋生命圏の理解に向けた研究に適応する例はありませんでした。
 そのような中で、JAMSTECでは深海熱水孔より分離された微生物のゲノム解析(Nakagawa et al. Proc Natl Acad Sci USA 104:12146-12150.[Pubmed])により、糖鎖の生合成遺伝子群の存在を見いだした事に端を発し、糖鎖こそが、海洋生命圏に存在する微生物-大型生物間の、様々な共生関係を成立させる重要な役割を果たしているのではないか、と言う仮説を提唱しました(図1)。現在、海洋生命圏の研究に初めて糖鎖研究を導入した先駆者として、研究を推進中です(中川聡 ,INNOVATION News 2008 Vol.7: 4-5)

糖鎖を介した微生物-大型生物間相互作用の可能性?
図1 糖鎖を介した微生物-大型生物間相互作用の可能性?