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EXTRAWING:
EXploring and TRAvelling the World INside Geoscientific data

Last update : 2012.02.01

先端情報研究開発部では、Google Earthをベースにした地球科学シミュレーションのデータの効果的でアピーリングな可視化表現と社会へ向けた情報発信のためのプロジェクト、EXTRAWING(エクストラウィング)を推進しています。 EXTRAWING Webページは、画面左下のバナーもしくはこちらからお入りください

お知らせ: インターネット公開デモ用ページの閉鎖について(2016年1月)

2015年12月をもってGoogle社によるGoogle Earth APIの提供の提供が終了となりました。それに伴い、本機能を利用して一般公開していたEXTRAWINGデモ用Webページを閉鎖致します。

なお、EXTRAWINGデモに使用したコンテンツ(KMLファイル)は下記リンク先からダウンロード可能です。Google Earthアプリでご利用下さい。


可視化表現

シミュレーションによる各種データは、一般に3 次元の空間全体に広がっています。温度分布、湿度分布はもちろん、 気流のベクトルデータも3 次元的に分布しています。しかしGoogle Earth で読み込むことが可能なKML 形式 には、このような3 次元空間の広がりを持つ数値データ(ボリュームデータ)を直接表現できる方法が用意されていません。

そこで私たちは、シミュレーションデータのスライス画像を何枚も積層させて3 次元分布を表現するための、 KML の記述方法を考案しました。画像の各ピクセルにデータの値に対応した色の不透明度を設定すること で、データの空間分布を雲のように浮かび上がらせることができます。

積層方向によっては、上空からだけでなく、いろいろな方向から場の分布構造を観察することもできます。



EXTRAWINGの可視化表現

ツールプログラム開発

ボリュームデータを可視化し、KML 形式でコンテンツデータを出力するプログラムなど、各種ツールプログラムの開発を進めています。 ボリュームデータの可視化によって3 次元分布を表現するには、各数値データに対応した配色と不透明度を適切に与えることが必要です。このとき、数値データと、色、 不透明度の対応を関係づける伝達関数をいかに制御するかが、特徴的な3 次元分布構造を見つけ出すための重要な鍵となります。

詳細につきましては、Volume Data Visualizer for Google Earthをご覧ください。



Google Earth用ボリューム可視化ツール

コンテンツ制作

ボリューム可視化表現を使って、地球・環境流体シミュレーションの結果を示す可視化コンテンツの制作を行っています。 現在公開中の可視化コンテンツは、後述の「真夏の都心における気温分布」、および「上陸前の大型台風」の2種類です。 それぞれ、場の3 次元分布を見やすくした静止版と、流れの様子を見やすくしたアニメーション版を作成 しました。これらはいずれも、専用Web ページにアクセスして観察することができます。今後も可視化コンテンツの拡充を進めて行きます。



(左)真夏の都心の気温分布、(右)上陸前の大型台風

一般展示

可視化された情報の発信方法は、上記のWeb による方法だけではありません。私たちは、一般社会と交流で きるさまざまな場面で、私たちの成果を発信するための方法に取り組んでいます。

その一つは一般展示。これまで、ハイパフォーマンスコンピューティングに関する国際会議「SC11」や、 海洋研究開発機構横浜研究所の施設一般公開などの各地の展示会場において、さまざまな映像表示装置を 利用した一般展示を行ってきました。 一般的なPC やプロジェクタを用いるだけでなく、大型デジタルサイネージシステムによる迫 力ある動画展示や、3D ディスプレイを用い立体的に観察したり操作したりできるインタラクティブ展示、またバー チャルリアリティ表示装置による没入型立体視にも挑戦してきました。

今後も新しい情報発信方法、新しい展示方法で、 EXTRAWING を発信し続けて行きます。



横浜研究所一般公開でのEXTRAWING展示