地球シミュレータES(第一世代)システム概要


システムの概要(ES)

並列ファイルシステム

640個の計算ノード全てを使用するような巨大な並列ジョブが、一つの計算ノードに接続されたディスクを共有して、大量の読み書きを行うと、各々の計算ノードはそのディスクを順番にアクセスするため、パフォーマンスが極度に悪くなる。各々の計算ノードが自身のディスクに読み書きするようにすれば、そのような問題は解決できるが、膨大な量のファイルをプログラミングで管理することは、非常に難しい。従って、ESにとって、パフォーマンスとユーザビリティの両面から、並列I/Oシステムは重要である。並列ファイルシステム(PFS)は、ESの並列I/O機能を提供する(図2)。PFSにより、別々のディスクに置かれた複数のファイルを、論理的に一つの大きなファイルとして取り扱うことができるようになる。並列プログラムの各々のプロセスは、一つのI/O命令で並列ファイルの読み書きが可能となり、その結果高いパフォーマンスとI/Oのユーザビリティを実現できた。

図2.並列ファイルシステム(PFS): PFS上のファイルは、ストライピングされ、指定されたブロック単位でサイクリックに、それぞれの計算ノードに接続されたファイルシステムに格納される。このファイルにプログラムからアクセス要求が出されると、ファイルアクセスライブラリ(FAL)がアクセス対象となるデータの位置を同定し、INを用いて、対応する計算ノードのファイルサーバに要求を出す。


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