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海の底は何でできている? 海洋地殻にかかる圧力を支える縁の下の力持ち「ガブロ」

ガブロとマントルが露出する場所がある!

インド洋にある南西インド洋海嶺のあたりは、海洋地殻がきちんと作られず、このガブロやマントルの岩石を採取することができます。先に紹介した画像のガブロも、南西インド洋海嶺がある海底で採取したものです。

図5:「しんかい6500」第645潜航によって調査した南西インド洋海嶺の位置。ここで図3のガブロを採取。(図/JAMSTEC)

参考

ここからガブロ(はんれい岩)を採取したとき(南西インド洋海嶺/「しんかい6500」 第645潜航)で撮影した映像や画像が見られます。

南西インド洋海嶺は世界中でもっとも拡大速度が小さく、「超低速拡大海嶺」と呼ばれています。対照的なのは、太平洋にある東太平洋海嶺。こちらは拡大速度が大きく、「高速拡大海嶺」と呼ばれています。前者は拡大速度が年間2センチ以下で、一方の後者は10センチを越える拡大速度です。

また、南西インド洋海嶺にはたくさんの断層(トランスフォーム断層)があります。これによってプレートの拡大軸が切られ、海洋地殻が変則的に隆起することがあるのです。その一つが「アトランティス海台」と呼ばれる場所です。

水深2562メートルで見つかった衝撃の発見!

この海底を海洋掘削したところ、「アトランティス海台」が下部地殻のガブロ(はんれい岩)で出来上がっていることがわかりました。

図6:海洋科学掘削調査を行った「アトランティス海台」の位置。JAMSTEC 2015年11月27日プレス発表資料より。(図/JAMSTEC)

また、2002年1月に深海潜水調査船支援母船「よこすか」、そして「しんかい6500」による調査航海(YK01-14)を実施したことがあります。そのとき、アトランティス海台を作った断層の壁に、ガブロだけでなく、ガブロの下にあるマントルまでが連続して露出していることがわかったのです。詳しい調査で、水深2562メートルのところで地殻とマントルの境界が露出していることを確認しました。

参考

アラビア半島にあるオマーンには、白亜紀の海洋地殻とマントルから構成される海洋プレートが乗り上げて陸上に露出している地層があります。

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