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アプリケーションラボ 付加価値情報創生部門

研究系

アプリケーションラボ
付加価値情報創生部門

2014年 入社

東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 博士課程 修了
研究内容:大学・大学院では、アフリカ南部に気候変動をもたらすインド洋南部や南大西洋の海水温変動「亜熱帯ダイポール現象」について研究を行いました

PROFILE

JAMSTEC入職後は、アプリケーションラボに所属。横浜研究所にあるスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を用いて、数ヶ月から十年先の気候変動の仕組みを調べる研究や、気候変動の予測精度を向上させる海洋や海氷のシミュレーション技術の開発を行っています。

CAREER STEP

  • 2012年度
    日本学術振興会特別研究員として、地球環境変動領域に在籍
  • 2014年度
    研究員として、アプリケーションラボに配属
  • 現在に至る

志望動機

小さい頃から、ずっと海が好きでした。海で遊び、海から学び、海の仕組みについてもっと知りたい、という好奇心から、海洋学を専攻できる大学、大学院に進学しました。そこで、恩師らと出会い、私の知らない海と気候の関わりや研究の奥深さ、社会とのつながりを学び、ライフワークとして海と気候の研究者を目指しました。JAMSTECは海と地球の研究を行うために必要な観測船や計算機など、プラットフォームが充実しています。また、日本や世界からトップクラスの研究者が集まってきます。そうした環境に身を置くことで、私が知らない海と気候の仕組みを解き明かし、将来を予測することで地球環境だけでなく人々の暮らしも豊かにすることができるのではないか、と思いJAMSTECに応募しました。

現在の仕事

年とともに、仕事の内容は質と量の面で変化しています。入社したての頃は、私が知りたい海や気候の仕組みに集中して研究を行い、国内外の学会や論文などで発表していました。それから数年が経ち、専門分野を横断する大型プロジェクト(例えば、アフリカ南部の感染症予測など)に関わり、アフリカやヨーロッパの研究者と協力して、将来の海や気候を予測するシミュレーション技術の開発にも携わりました。最近は、新たなプロジェクトを作る段階からアフリカの現地に調査に行ったり、また、研究成果を社会に発信するアウトリーチ活動など、研究以外の仕事が増えてきています。
こうした中で、技術者や事務の皆さんと一緒に仕事をする大切さを学びました。例えば、技術者の方にはシミュレーションの解析に必要なサーバー設置をお願いしたり、事務の方には研究に必要な備品の調達や予算の管理、アウトリーチ活動など、我々の研究に必要なあらゆる面でご協力、サポートをいただいています。技術者や事務の皆さんのサポートがなければ、大型プロジェクトを推進することも、研究成果を分かりやすく社会に発信することも困難であったと思います。

やりがい

分からなかったことを、分かるようにする。知的な好奇心を満たすことは、さらなる研究の意欲につながりますね。一方で、1つのことが分かるようになると、そこからまた分からないことが出てきます。これが、研究のもどかしさであり、奥深さでもあります。このステップを繰り返すことで、問題の鍵となるヒントや事実を見つけた時、研究者としてのやりがいを感じます。そのため、なるべく本質的で難しい問題に挑戦し、丁寧に時間をかけて研究することを心掛けています。
研究成果は社会に発信して、より多くの人に知ってもらうことが大事です。例えば、私が所属するラボでは、季節ごとの天候予測を解説しています(季節ウォッチなど)。気温や降水量などの影響を受けやすい農作物の収量や感染症の流行を予測し、事前に必要な対策を行うことで、人々の食の安全や健康を守ることができます。こうした予測情報を使って、現地の人々の暮らしが豊かになったと聞くと、涙が出るほど嬉しいです。
さらに、研究を通して、世界中のいろんな人々と出会い、知らない世界を学べることも魅力です。研究やプロジェクトを通して、文化や価値観の異なる研究者、技術者、事務の皆さんと出会い、プライベートでも支えていただき、現在も豊かな交流が続いています。海の研究を通して得られた人脈は、私にとって生涯の宝物です。

  • 今後の夢

    いくつになっても、自分が知らない海の世界を追い求める、純粋な研究者でありたいですね。学生の頃は根拠のない自信に満ちあふれ、なんでもできると思っていましたが(笑)、年とともに、体力や記憶力など、少しずつ衰えていくと思います。研究者として残された人生を考えると、何を研究して何を研究しないか、問題の本質を見極めて、研究テーマを取捨選択する必要があります。そのため、今自分ができることは集中して行い、できないことはチームで協力して行うなど、心掛けています。
    一方で、社会とのつながりをもっと強化したいです。海は人々の暮らしと深く関わっているのですが、なかなか実感しにくいです。海が変わると人々の暮らしが変わる、だから海の研究が必要だということを、アウトリーチ活動などで分かりやすく伝えていきたいと思います。そして、私がいなくなった後も、豊かな海と人々の暮らしを守るため、大切な海の研究が続くように、若い世代を育成してバトンタッチしていきたいです。

※インタビュー内容は2021年2月時点のものです。

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