地球発見 まだまだ知らない「ちきゅう」がある。

CDEX

第332 次研究航海乗船研究者・スペシャリストの声

セバスチャン・ハマーシュミット

セバスチャン・ハマーシュミット

Sebastian Hammerschmidt

孔内計測スペシャリスト ブレーメン大学(ドイツ)

私の主な任務のひとつは、LTBMS(長期孔内観測システム)設置のためのLWD(掘削同時検層)とMWD(掘削同時計測)によるパラメータを正確に評価することでした。これを行うことで、非常に高度な孔内観測装置の設置という骨の折れる任務を行う、孔内計測エンジニアたちの役に立てただけでなく、自分自身の技術的、地質学的な視野も広がりました。「ちきゅう」によるIODP第332次研究航海は、大学院生である自分にとって本当に素晴らしい経験でした。これからも、他の学生が自分と同じように、研究航海への参加という素晴らしい経験をする機会があるよう願っています。

ショーン・トシコ

ショーン・トシコ

Sean Toczko

JAMSTEC/CDEX 研究支援統括

今回の研究航海では、IODP と「ちきゅう」において、いくつか画期的な進展がありました。我々は、NanTroSEIZEプロジェクト(南海トラフ地震発生帯掘削計画プロジェクト)史上初の恒久型孔内観測装置を設置し、さらに昨年設置した、一時的な孔内観測装置から初めて長期的な孔内間隙水圧と温度データも回収しました。これまでのところ、孔内観測装置は良好に動いています。来年実施予定の、長期孔内観測装置のDONET への接続や、今回の航海で設置した、新機能を持つ一時的孔内観測装置による地球化学的、生物学的データについても期待されます。これらがもたらすであろう科学成果に、本当にワクワクしています!

難波 康広

JAMSTEC/CDEX 孔内計測エンジニア

今回の航海では、巨大地震発生メカニズムの解明および地震発生時のリアルタイムデータ取得等に資する観測を可能とするべく、長期孔内観測装置の設置を行いました。作業は、水深約2,000m の深海底下の内径約220mm の鋼管を通して、長さ約950m・最大外径約200mm の観測装置を高潮流下で降下設置するというたいへん困難なものでしたが、この間、インターネットを介して作業状況を逐次発信したところ、これを見た皆様から多くの応援を頂けたことがたいへんうれしく、また勇気づけられました。