MR10-01 みらい観測航海ブログ

2月21日(日)

晴れ

10:00 CTDウィンチフリーフォール
16:00 航海総括
19:30 打ち上げ
22:00 時刻改正

朝起きると波風強く、少し待機してからCTDウィンチのフリーフォールを実施する。
フリーフォールはケーブルのよりを取るために行うもので、重りだけを付けて7000mまで下ろす。
サンプルを採るわけではないので圧力で潰したい物を持って来ていいことに。
この日のためにと2年前に食べたカップヌードルを大事にとってた強者も。最近は紙になっちゃったから・・・
私はマグカップ。
中にはリンゴを吊す者も。そんなの吊してどうする!?

フリーフォール終了後、明日には八戸入港ということで、本航海の総括。荒天により観測日は予定よりずいぶん減ったが、全項目の達成率は70%。
出来すぎ。
そりゃそうだ。航海最初のミーティングでは係留系作業をやった日は夜間の観測をしないとか、無理のかからないようにすると誓ってたはずなのに、観測できる日は早朝から深夜まで休み無しで作業の連続。
短期集中だから出来ることだが、改めてみんなに御礼。

夜は明日の入港を前に航海打ち上げ。
今日は時刻改正で1時間増える。
ちょっとそれに気を許してしまってもうこんな時間。

明日でとりあえず入港するので、本航海の航海報告はこれにて終了とさせていただきます。長らくのご愛読ありがとうございました。
励ましのお便り、応援のメッセージ等何人かに戴きました。
ありがとうございました。

今後は
22日八戸入港
24日関根浜入港
の予定となります。

潰したい物持って集合
マグカップの結果

2月20日(土)

晴れ

気温はなぜかまた氷点下に。
八戸、関根浜も寒そうだ。
寒いが天気がいいので今日はセジメントトラップにIONESS、そして木甲板も水洗い。
艤装解除用にパレットに荷物を詰めて、荷下ろしの順番を考え倉庫に入れ替え。
航海も終わりに近づき、本日この航海2度目の記念撮影(レグ2用)。
明後日には八戸入港!

今日も熱心に水洗い
記念写真

2月19日(金)

晴れ時々曇り

八戸へ向け回航中。

ようやく気温が0度以上になった。
水槽に連なってたつららもなくなる。
甲板上では洗い物作業も始まり、片付けは着々と進んでいく。

波は結構高いはずだが、もうゆっくりと時間調整しながら進んでいるような状況で、そんなに揺れない。非常に快適。
八戸入港が1日早まった。
航海終了まであとわずか。
やっぱり上陸できるのが待ち遠しい。

甲板上で洗い物

2月18日(木)

曇りのち晴れ

分析の追い込み、片付け。

22:00 時刻改正

1時間時計を遅らせる。
これで日本とは時差1時間。

今日はこれまで観測スケジュールの変更に柔軟に対応してくれた甲板部と、食事の取り置き(通常は24時間体制を組んだ時のみ)で対応してくれた司厨部に御礼の挨拶に出向く。
持参した日本酒二本は簡単になくなり、揺れもおさまったはずなのに頭の中はかなり揺れている。
甲板部と司厨部だけでなく、本当にみんなに感謝してもしきれないほど助けて戴いた。
ただ、来年度のスケジュールの話をすると、皆えぇー!という反応が。
私も言いたい・・・

天気図を見ると今K2は凄いことになっている。
ここにいたら生死をかけた戦いが始まってたように思う。
逃げられて良かった。
波高10mは勘弁してください・・・

今日の昼食「かわらそば」。肉の下には焼いた茶そば。本場下関では瓦の上で焼くらしい。今やすっかりみらい名物。ドライカレーに代わる来年のむつの料理教室にどうか!?
K2の今の天気図。酷い・・・

2月17日(水)

曇り時々晴れまたは吹雪(海況不良)

観測終了から一夜が明ける。
前日もほとんど寝てなかったのに、昨日は高揚してるのかなかなか寝付けない。必要もないのに4時に目が覚める。
朝になってようやく落ち着く。

観測を振り返ってみると、やっぱり天気に翻弄された航海だった。
でも航海前は無謀と言われ、ただ行って帰ってくるだけの何も観測できない航海になることも覚悟していた中、よくこれだけ出来たと改めて思う。
レグ1ではK2で早期離脱を余儀なくされたが、これでS1での観測が十分にできた。その結果、レグ2でS1を早々に切り上げ、K2に早く到着することが可能に。K2到着が1日遅れてたら係留系の設置も難しかっただろう。
また、K2では漂流系の放流中止が奏功した。初日に放流してれば、昨日のあの吹雪の中では発見は難しい。放っておく訳にいかないから、全ての観測を中止して、1日捜索に費やしていた可能性が高い・・・

天気のいい日に観測日が当たって運が良かったと言えるが、荒天によるスケジュール変更や、日程短縮による観測詰め込みのハードスケジュールに対応してくれた船長・チョッサーはじめ乗組員の皆さん、観測技術員の皆さんの協力が本当に大きい。
外部乗船研究者にもこの時期にこんなにも観測できたと感謝のメールを戴く。
とりあえず成功と言っていい観測結果にほっと胸をなで下ろす。

揺れる船内では、分析する者、解析する者、片付けに入ってる者入り乱れる。
私は張り詰めてた糸が切れて今日はちょっと放心状態・・・(単に部屋が揺れて気分が悪いだけかも)

今日は写真も撮ってなかったので、昨日の写真でご勘弁ください。

吹雪の中で観測開始
観測再開の前に雪かき(T_T)

2月16日(火)

吹雪

05:00 CTD採水(300m)
06:00 ノルパックネット
07:00 CTD採水(300m)
08:00 雪かき
08:30 IONESS
13:00 ノルパックネット
14:00 CTD採水(1000m)
16:30 マルチプルコア
20:30 作業終了
MR10-01観測主ミッション終了!

朝4時。波高確認。3m。嫌な予感。
ブリッジへ行くと、一面の窓から見えるのは猛吹雪。
ほぼ視界がない状況で、これでは係留系回収しようにも見つけることは出来ない。
とりあえず予定通りCTD採水。ノルパックネット。
雪がやまない。
船長にプランDの作成を依頼される。
急遽、夜に予定していたノルパックネットを追加。
さらにCTD採水を前倒し。
夜が明けてきて、様子をうかがう。
晴れ間が出てきて視界が開ける!風弱まる!
これはいけるかも!?
しかし、これは今台風の目みたいな低気圧の中心にいるらしい。
ここで係留系回収に踏み切ると危険すぎるとのこと。
海水を流している甲板水槽にはつららがびっしりの極寒の地。
こんな状況で波高も3mではボートは下ろせない。
係留系回収は中止の決定を下す。
今できること、今しかできないものを考えて、スケジュール再調整。
IONESSをやることに。まず雪かき。
IONESSを始める頃には目を抜けたらしく、また吹雪で視界不良に。
回収をやめて正解。これでは浮上したブイは絶対見つからない。
中止と決めたからには出来る観測をどんどんやっていく。
予報では発達中の低気圧が接近中。
かいれいは館山湾で避泊してるらしい。日本でも影響を及ぼしてるとか。
最後の観測、マルチプルコアをしてるとどんどん気圧が下がり始める。
天候悪化の前に引き上げ成功。無事、観測終了。
天候の影響もあって、かなりのハードスケジュールを皆に強いてしまったが、お陰様で係留系回収、漂流系の中止以外はほぼ予定通りの観測遂行!
今のうちにK2を離脱。八戸へ。

低気圧に直撃される前に逃げることが出来そう。
当初、予定通りに八戸に入るためには、18日の夜の離脱をタイムリミットに設定。
そこまでいても何も出来ず、危険なだけなので仕方ないが、2日早い離脱。
時間が余ったので、海況が良ければCTDウィンチのフリーフォールをすることに。
それでもまだ余りそう。
早く入港できればいいのだが・・・許されないか?
テレビの映るところで一日オリンピック観戦でもするか。
そういえば、aikoにカー娘。はどうなっただろう。

海水も凍る極寒の観測
雪の降りしきる中、観測準備

2月15日(月)

曇り時々吹雪きのち晴れ

05:10 CTD採水(300m)
07:10 CTD採水(5200m)
10:40 FF
12:30 係留系設置作業開始!
16:00 シンカーレッコ
17:00 FRRF
18:00 VMPS
20:30 IONESS
25:30 作業終了

朝起きる。波高し。おまけに吹雪き。
ブリッジへ行き、こりゃ厳しいなぁと思いつつ船長を待つ。
とりあえずCTD採水なら出来るかもということに。
しかし、CTD採水がぎりぎり可能という状況。
午前中係留系設置作業のプランAは中止に。
午後の天候回復を祈り、係留系を午後に行うプランBの実施が決定。
しかし、朝のFRRF観測は中止に追い込まれる。

朝食後、午後の係留系もダメな場合に備えて秘密裏にプランCを作成。
みんなのやる気をそがないため、表向きはあくまでプランB。
ごく一部関係者にのみプランCの可能性を通達。
CTD採水が終わりに近づき、次の予定を決めなければいけなくなった頃、波、風弱まり始める!!
「プランBで行きましょう」と船長。
プランCはこのまま闇に葬り去る。
FFの頃には晴れ間がのぞき、波が少しあるものの、絶好のコンディションに。

担当者より1日遅れのバレンタインか、はたまた1ヶ月早いホワイトデーか、愛する係留系にシャンパンシャワー。景気を付けて、係留系作業開始。
作業は順調に進むが、時折吹雪くと瞬く間にデッキは雪化粧。
しかし手際よく作業は進み、まだ明るいうちにシンカーは予定点にベタピンで着底確認。
皆のすばらしい仕事で無事設置完了。

夜にはレグ1では出来なかったK2でのIONESS。
ウィンチ修理の効果てきめんで、これまた順調に終了し、なんだか全てがうまく回り始める。
しかし、IONESSが終わる頃には風が強くなり始める。
明日の夜まで、なんとかいい天気が続きますように!

シャンパンで無事の設置・回収を願う
吹雪の中、設置作業。気温は氷点下5度!

2月14日(日)

曇り時々晴れまたは雪

明日から観測再開。
ついにK2へ再び舞い戻ってしまった。
皆にはS1観測再開。と間違って予定表を配ってしまう。
やっぱり心は正直?

朝食後、関係者集めて作業予定とスケジュール確認。
そして何をやって何をやめるか、作戦会議。
今後の海況予想からみて、観測できる可能性があるのは明日と明後日の2日間か。
全てはできない。
この航海、優先度1位は係留系。
それを中心にスケジュールを考える。
時間がかかり、リスクの高い漂流系はまず諦める。
採水層を減らし、余り水を利用して、CTDキャストを減らす。
他にも少しずつ時間を削り、それでも早朝から深夜に及ぶハードスケジュール。
気温は現在氷点下5度。風もある。
出来たとしても厳しい観測になるのは間違いない。
船側に作業内容の確認、調整。
海況状況の良し悪しに対応できるよう、A、Bの2案を作成。

昼食後、再び関係者集めて確認。微調整。
その後係留系作業についてMWJ担当者よりレクチャー。

13:30 バレンタインプレゼンツ「みらい船内探索ツアー」
当選者ご一行様をつれて、ぞろぞろと船内探索。
案内係はGODI、MWJの重鎮殿。私も後について行く。
メインイベントのエンジンルームでは皆興味津々。

16:00 洋上セミナー
発表者は鹿児島大 Kさん
「私とプランクトンの流浪の旅から」
さすが大学の先生は話が面白い。

夕食後、更新された海況予想図を確認しにブリッジへ。
芳しい状況ではないが、やっぱり最後は神頼み。
もう一度金比羅さんにお祈りして、御神酒を一杯戴く。

「みらい船内探索ツアー」

2月13日(土)

曇り時々雪

XBT/XCTD投入
ARGOフロート投入

本日時刻改正。
今後の作業スケジュールを考え、1時間時計を進めることに。
これで日本とは2時間の時間差。

昨日まで半袖で過ごしていた人間もいたはずだが、朝起きると寒い。おまけに午後には雪が降り始める。
20度超えてた気温がいつしか氷点下に。そりゃ寒いはずだ。

午後は洋上セミナー
発表者は東大 Yさん
「発光細菌の放つ光の色について」
知らない世界を垣間見た。すごい。

夕食時、雛壇のテーブル席では自然に今後の天候の話題に。
夕食後、そのままの流れでブリッジへ行き、今後の見通しについて海況予想図を見ながらあれこれ検討会。
観測の優先順位を考えると、切るしかない項目も!?
寝込みを襲われないよう、ドアを閉めて寝るよう勧められる・・・

夜、船内の運動不足解消に励むビリー隊を覗きに行く。
レグ1で途中脱退したH隊長の跡を継いだK隊長代理が先頭に立ってかけ声。
そして、そんな彼らをマッサージチェアに座って写真を撮ってる私。
そりゃ痩せるワケがない・・・

ARGO投入
ビリー隊

2月12日(金)

曇り時々雨(海況不良)

XBT/XCTD投入
ARGOフロート投入

午前~午後にかけて、IONESS用のウィンチに生じていた乱巻きによる不具合解消のため、ケーブル切断。先端加工を施し、K2でのIONESS観測準備はこれでばっちり。

午後には波高6mを超え、かなり揺れにやられる。
ブリッジで舳先に当たってはじける波をぼうっと見つめる。
ぼうっとしてると時折でかい波に当たり、波しぶきで目の前真っ白になる。
とそこで、なにやらいろんな数字が入ったメモ紙が目にとまる。
そこには「避航大作戦」なる文字が・・・
K2でとんでもない大型低気圧に直撃の可能性あり。
いかにして逃げるかの大作戦が密かに練られていた!!
まだS1出て間もないのに。
しかし、本当に直撃されれば間違いなく観測どころではなくなる。
せっかく直したウィンチも徒労に終わるのか!?
何より係留系作業は出来るのか!?
いろんな不安を抱えつつ、あまり先のことを今から心配してもしょうがないと、とりあえず今日は首席部屋で御神酒をいただいて、航海の安全・成功を祈ることに。

今日の写真は3枚の連続写真にしてみました。
題して、これが波高6mの衝撃!
K2の帰りには、波高10m超えが想定されている・・・

ぶち当たった瞬間
直後
その後

2月11日(木)

晴れ後曇り

05:00 CTD採水(300m)
07:00 漂流系回収
16:45 金比羅参り
その他、S1-K2間で複数回XBT/XCTDおよびARGO投入予定

朝、CTD採水中にブリッジへ行くと、横浜で新調したフラッシュライトが暗闇の中でよく光っている。2台取り付けたはずだが、海面で反射し、いっぱい付けているかのようにあちこちで光る。
そして夜空は満天の星。時折流れ星。
今日もいい天気のようだ。
夜明けを待って漂流系回収。
今日のすまるは一発で仕留める。
これにてS1観測予定通り無事終了。
明日からS1付近も大荒れの様子。危ない、危ない。

夕方、S1の観測も終了した今ごろ金比羅参りを行う。
なぜ今ごろか?
レグ1終了間際に船長、チョッサーと交わした会話。
「レグ2の金比羅さんはどうします?」
「レグ1があまりに良かったんで、このままの運気で仕切り直さず行きましょう!」
「じゃぁ、金比羅さんは無しで」
それがレグ2の既にS1観測が始まった頃、関西弁丸出しのGODI某観測技術員より、今明かされる衝撃の真実!
「松本さん、レグ1の運気がどうのこうの言うてたけど、金比羅さんのご本尊変わってるの知ったはります?」
???
「どうゆうこと?」
「なんか新しいお札に変えたらしいっすよ」
えぇ~、聞いてないよ~っっ!!
どうやら横浜で金比羅さんのお札を新しくしたらしい。
今まで、晴れ男にてるてる坊主、御神酒に豆まきと節操なく何でもお願い出来るものはしてきたのに、肝心の金比羅様に航海の安全と成功を祈ってないではないか!!
というわけで、観測中は時間が無く、ようやく本日金比羅参り。
こんな事もあろうかと、中華街で仕入れたとっておきの御神酒を供出。
K2で無事安全に観測できますように・・・

新しくなった金比羅様
今回の御神酒

2月10日(水)

曇り

05:00 CTD採水(300m)
07:00 CTD採水(500m)
08:00 IONESS
11:30 ノルパックネット
12:30 FF
13:00 CTD採水(5900m)
17:30 VMPS
20:50 ノルパックネット
21:30 CTD採水(200m)
22:30 作業終了

本日の海況、よし。
でも私の体力、もたない。
朝、採水前に顔を出し、自分のサンプリングボトルをMWJ観測隊に託して朝食までソファに倒れる。
サンプル処理を行い(それもほとんどMWJ観測隊に託す)、IONESSの釣果を確認(ひやかし)に行く。
サンプリングを手伝わずにカメラマンになっていると、「なんだよ、手伝わないのかよ、邪魔だよ」って雰囲気がまんまん。
そそくさとその場を後にする。
みんな昨日からのハードスケジュールにお疲れ。
CTD採水はちょうど晩飯の時間と重なり、先に食事に行かせる者と後から交代で行く者とに分けて、採水班長はやりくり大変。ご苦労様。
午後のVMPSは昨日で少し慣れたのか、今日は順調にいく。
予定時間より早く終わりそうだったので、もう1キャストお願い!の声に負けてキャストを追加。せっかく早く終われそうだと思ってたのに結局長くなってしまい、船員さんに申し訳なく、反省。
何とか今日も無事観測終了。
明日、漂流系さえ回収できれば万々歳。

IONESSサンプリングに忙しい皆さん
CTD採水にこれでもかと並ぶ採水瓶の数々

2月8日(月)

晴れ時々曇り

09:00 観測ミーティング
10:45 採水訓練
13:15 非常訓練

波もなくいい天気でまさに観測日和。
こんな日に観測がないのがもったいない。

新メンバーが合流したので、もう一度採水訓練。
説明の後、みんな自主練に精を出す。
レグ2から新たなややこしい採水瓶も登場し、レグ1メンバーも含めて必死に練習。

午後の非常訓練はレグ1メンバーも含めて全員参加。
天気がいいので救命艇の降下デモも行う。

昨日の観測仕分けで仕分け人の辛さを味わったが、昨日はレグ2全体の観測スケジュールを作業予定を30分、1時間単位で組んでいたので、もう一度明日、明後日のスケジュールを綿密に組み立てる。
レグ1の作業記録を引っ張り出し、実際にかかった時間を洗いだす。
30分で組んだ予定が実は40分。観測項目の入れ替え時のロスが5分、10分。
ケーブルの掛け替えで10分。積み上げていくと結構な時間になる。
朝5時から真夜中までほとんど切れ目無く観測予定が詰まってる。
このままでは当日破綻することは想像に難くない。
しかし最大限の譲歩と言われたのにこれ以上の削減も言い出しにくい。
レンホウってスゲェと妙に感心。
荒天なら問答無用で「無理なもんは無理!」で済むんだけど・・・
チョッサーに相談し、食事の時間にも観測詰め込む。
ついに禁断の果実に手を出したみたいで後ろめたい。

乗組員の皆さんの協力に感謝しつつ、明日から観測再開。
せめて天候は良くなりますように!

再び採水訓練。説明に聞き入る人々。
万一に備えて特殊スーツの着付け講座。でも一人じゃ着られない・・・

2月7日(日)

晴れ

13:30 出港
16:30 安全教育(新メンバー)

横浜にて心も胃袋も満たされ、完全に気分はバカンス。
滞在時間は24時間にも満たないけど。
また悪天候の航海に出て行くなんて考えられない!というより考えたくない・・・
でもたくさんの人にお見送りしていただき、どうもありがとうございました。
大さん橋からの出港はサイコー!本当に気持ちいい!
もうしばらく頑張って観測してきます。
日報書くのもちょっとめんどくさくなってきてたけど、いろんな人に楽しみにしてると言われてこちらももう少し頑張ってみようか。
愚痴ばかりの日報にならないことを祈って。

早速出航後、今後のスケジュールを作成。
しかし、潮の流れや風の影響で、測点間の移動に要する時間が大幅増の見込みである事が判明。
12ノットで立ててた予定が10ノットそこそこしか出そうにない。
立てたスケジュールをもう一度見直す。
といってもS1、K2の観測日程をそれぞれほとんど1日ずつ削減の必要あり。
関係者集めて作戦会議。
新メンバー呼び出し、いきなり始まる前から観測計画の見直しを迫る。
やる気満々で乗り込んできてるのに本当に申し訳ない。
これが首席の仕事と割り切ってはいるけれど・・・
バカンス気分はすっかり無くなってしまった。
明日は観測ミーティング。皆に説明するのも気が重い。

すいません、いきなり愚痴から再開してしまいました・・・
写真で少しでもお楽しみください。

みらい@ヨコハマ大さん橋1
みらい@ヨコハマ大さん橋2
お見送りありがとうございました

2月5日(金)

晴れ時々曇り

01:30 Stn. KEO (XCTD)
16:45 記念撮影
19:30 観測打ち上げパーティー

KEOでは荒天のためXCTDとなったが、これにてレグ1の観測終了!
上出来というより、出来すぎ。
記念撮影でデッキに出ると意外と寒い。
気温10度。
こんなに寒いのかとすっかりK2の辛さは忘れて身体はS1仕様。

夜、レグ1観測の大成功を祝して感謝の集い。
船内時間が日本時間に戻り、今日は1日25時間。
レグ2の分の御神酒まで開封してしまった。
横浜で調達せねば。

とにかくこれで明日は横浜、中華街。ヨコハマナイト!?
多くが家族を呼んでおり、もう下船後の横浜しか眼中にない。
すいません、明日は日報休刊日です。

記念写真
感謝の集い

2月4日(木)

曇り時々晴れ

08:00 ARGO投入
08:30 IONESS
17:30 ARGO投入

今日はIONESSデー。
昼はいろんな作業があって後回しにされ続け、なかなかできずにいた昼間のIONESSネット曳網。
4時間近く曳網しなくてはならず、海がちょっと荒れてると出来ない。
おまけに開始時間がある程度決まっていて融通が利かないのでつい後回しに。
夜は夜で作業が真夜中になるので嫌がられ、ちょっと可哀想な存在。
でも、皆なんだかんだ言っても奇妙な生物がいっぱい採れるIONESSにはいつも多くのボランティアヘルパーが集まる。
今日はそんなIONESSのために設けられた観測日。
思う存分やっていただく。
今日の獲物はヒカリボヤ。光るらしい。
その他もろもろにも皆興味津々。
そしてIONESS終了後、観測終了を待っていたかのように海がしけだす。
今回は本当に最後までついている。

午後には陸上支援班から昨日依頼したフラッシュライトの手配完了の知らせ。
迅速な対応ありがとうございます。

夜には波高が4m超えも。風も20mにせまる。
横浜に時間通りに着くかが心配になってきた。

IONESSのサンプリング状況をモニターでチェック。そのキーボードの横には・・・
香り豊かな伝統の味 IONESSキャンデー!?
採れたての獲物を前に講釈のお時間

2月3日(水)

曇り時々晴れ

05:00 CTD採水(300m)
06:00 FRRF
07:00 漂流系回収
10:30 FRRF
12:30 係留系設置開始(BGC)
16:30 重り投入
18:30 LISST

朝、天候問題なし。
CTD採水中に漂流系のフラッシュライトが暗闇に光を放つ。
採水後、これまで天候悪化の影響を受けて出来ていなかったFRRFが今航初登場。
その後漂流系回収。先取りブイが流され、確保が困難。
“すまる”が放たれる。一の矢、二の矢、三、四、五・・・
次々放たれなんとか確保。
ロケットランチャーあるいはラジコンヘリのようなもので遠くへ飛ばせるといいのだが。
漂流系は荒天の中、もみくちゃにされてたらしく、回収時にはよく光っていたフラッシュライトが回収してみると微妙な加減で光っていた事が判明。修理不能で慌てて陸上支援班に新品補充依頼。

午後、レグ1最後の難関、係留系の設置作業。
海況はよく、作業に問題なし。
早速作業開始!とその前に、今日は節分。
せっかくなので、作業前に代表者集まり、海に向かって豆まき!
中途半端は却って恥ずかしいので、ここは気合いを入れて。
縁起が良ければ御神酒でも豆まきでも何でもあり。
その甲斐あってか?設置無事完了。無事回収も出来ますように。
設置後、トップブイの沈み行く様を双眼鏡にてブイ発見練習を兼ねて観察。
最初にトップブイを発見!と言っても見てるのは船長と私だけ。
でもその後来た三航士が見つけられないと言ってる様を横目で見てほくそ笑む。
最近、ブイ発見競争は戦意喪失気味だったけど、俄然やる気が出てきた。
とりあえずS1観測は明日で終了!

次々すまるが放たれる
腰の回転がきいた華麗な投球フォームで「鬼は~そと!」

2月2日(火)

晴れ

04:00 ベッドの中で揺れを感じる。
やっぱり来たか。
波高計を確認。5mを超えている。
こりゃダメだと思いつつブリッジへ。
既に関係者が集まっている。なんだか重たい空気。
それだけで言わずもがなの現状で、とりあえず船長、チョッサーによる海況説明。
要は何もできないということで、午前中の観測は中止。
でも昨日無理言っていろいろ観測追加してもらったので、荒天待機にもかかわらず少し余裕を感じる。

昨日は横須賀でも雪が降ったとか。
さすがにここでは雪は降らないが、その低気圧に完全に巻き込まれてしまった。
しかし、そこは北のK2とは違って南のS1。
低気圧は停滞することなくあっという間に通過。
天候はV字回復。
午後には風が弱まってきた。
だが波はまだ高く、午後は出来る作業から観測再開。

13:00 ノルパックネット
16:00 CTD採水(5900m)
20:00 ノルパックネット

夜になってほとんど無風状態。
うねりはまだ少し残っているが、明日の観測再開は期待できそう。
何とか係留系の設置ができればいいが。

天候回復後、ノルパックネット再開
昨日IONESSで採れた獲物。コウモリダコ。タコ・イカの仲間?祖先?かなんからしい。

2月1日(月)

曇り時々晴れのち雨

05:00 CTD採水(300m)
08:00 係留系設置開始(POPPS)
11:00 重り投入
13:00 FF
14:00 ノルパックネット
15:00 係留ブイ動作確認
15:30 CTD採水(200m)
17:30 CTD採水(200m)
18:00 LISST
20:00 ノルパックネット
21:00 IONESS

朝、少し風が強くなったように感じる。
昨日の夜はべた凪だったのに、少し白波がたっている。
しかし、係留系設置作業には何も問題なし。
恒例の御神酒をあげて、設置開始。
順調に設置完了。ブイの設置水深も予定通りで大成功。
ただし、どんどん風が強まってくる。
昼飯前にブリッジにて船長、チョッサーと今後の海況と観測予定について協議。
きっと日本でも天気予報で報道されてるだろう南の海上にある低気圧が、発達してこちらに向かってくる。
明日はこの低気圧に巻き込まれて大荒れの模様。
明日に予定していた別の係留系設置作業は困難か。
その他の作業も何ができるか分からない。
急遽、無理言って今日できるものは今日やってしまう方向でお願いする。
ノルパックネット、CTD採水、IONESSを追加。
早朝から深夜まで休む間もなくデッキ作業。
大変なのは船の乗組員。心が痛む・・・

K2で奇跡的にできちゃっただけに、ちょっと余裕かましてたS1でできないとショックが大きい。
明日が無理でも明後日の回復が早ければいいんだけれど。
とりあえず明日04:30に海況判断。

徹夜で分析中・・・zzz
係留系設置準備中

1月31日(日)

晴れ

05:00 係留系設置点(ターゲットポイント)決定
POPPS:29°56.2N、144°57.9E
BGC:30°3.9N、144°58.0E

07:00 漂流系投入
08:30 CTD cast (200m)
09:00 CTD cast (5900m)
14:00 FF
16:00 CTD cast (5900m)
20:30 IONESS
24:30 終了

予想通りの観測日和。
我々の到着を待っていたかのように波風静まり、暖かな日差しが照りつける。
係留系の設置点は観測原点(30N、145E)を挟んで南北にフラットな地形が広がり、両設置点とも原点からそう遠くない場所で選択することができた。
CTD採水も兼ねてCTDによる設置点の正確な水深測定。
係留系の設計水深5900mに対し、POPPSは5900m、BGCは5910mとビンゴ。
長さ調整用のロープも用意してきていたが、必要なし。

久しぶりの観測再開が皆待ち遠しかったらしく、日の出とともに開始した漂流系作業に多くのギャラリー集まる。

一方フォアマストでは、停船中にせっせとメンテナンス。揺れも少なく、こちらもまさにメンテナンス日和。

夜になると海はべた凪状態。
明日の係留系設置は心配なさそう。

リベンジのIONESSも今回は無事終了。
Kさんの喜ぶ顔を確認して本日の作業終了。

日の出とともに漂流系投入
フォアマストに上りメンテナンス

1月30日(土)

晴れ時々曇り

21:00 S1観測点(30N、145E)到着
係留系が設置できる平らな場所を探すため、明日の朝までシービームによる海底地形調査。夜の間に地形調査を行い、夜明けとともにデッキでの観測作業開始。まさに絶好のタイミングで測点到着。

奄美くらいの緯度か。気温17度。暖かい。
ちょっと前まで吹雪で波しぶきは凍り、つららになってたのがうそみたい。
K2付近は途中離脱して以降今もまだ荒れ模様。
またあそこに戻るなんて今は考えたくない・・・

こちらの天候はよくなり、明日、明後日は観測日和か。
今回は本当に運がいい・・・かどうかはまだもう少し様子を見なければ。

海底地形調査はGODIの担当者がいろいろ補正などしてきれいな地形図を書いてくれる。そして我々は調査が終わる5時頃のこのこ集まり係留系の設置点決め。
「お、ここいいんじゃない?」「いいねぇ」「じゃ、ここで」
GODIの方お疲れ様です。

明日の漂流系放流につける沈降粒子採集器のセッティング
地形調査に向けていろいろ操作中のGODIのNさん

1月29日(金)

晴れ時々曇り

S1へ向けて回航中。

昨夜は右に左に揺れることはなかったが、上下の揺れがひどく、胴上げされて落とされるような感じに耐えつつ眠りにつく。
朝には揺れはかなり少なくなっていた。

今日はデータ整理に観測準備、S1係留地点の海底地形探査計画の策定。

16:00 洋上セミナー「太平洋におけるピコ・ナノ植物プランクトンの生態」東京大学 Sさん。
話がうまく、非常に面白い。

船内では観測がないせいもあって、横浜入港でそわそわ。
みなとヨコハマ大さん橋、しかも土日とあって家族等の訪船を考えている者も。運航グループに問い合わせると訪船するには事前に通知が必要とのこと。慌ててみんな調整始める。
子供を呼んでいる人には首席部屋を開放しようか。
「ここがパパの部屋だよ」「ひろーい!」喜ばれるかも・・・

実際に乗船するまでは、横浜入港がなければもっと観測自由度が上がるのにと思っていたが、やっぱり途中寄港が出来ると素直にうれしい。
揺れまくりで体力も無駄に消費しているので、ここで一旦リフレッシュ。
でもその前にS1観測。
明日の夜遅くには測点到着。
しかし気になるのはいつも天気のことばかり・・・

ひろーい首席部屋。執務室に奥には寝室、風呂トイレ付き。ゴージャス!
ブリッジ(操舵室)にもガラの悪そなてるてる坊主出現。明日天気にならんかいっ!

1月28日(木)

晴れのち曇り

S1へ向けて回航中。

朝、天候回復。揺れてない!
これで準備作業もばっちり。
と思ったのもつかの間、午後からまた荒れ模様に。
明日もやばいらしい。
S1での観測も大丈夫かと心配になるが、今の予報では、到着するころ天候回復する見込み。ホントにそんなにうまくいくのか・・・

午前中は各自担当項目の分析やら次の準備やら。
15:00 次の観測点S1での観測スケジュール戦略会議。
今の予定だとS1での観測がまるまる1日前倒しで可能か。
各研究者の希望観測項目、回数等を確認。
2/6の横浜入港時間を早くしても、十分余裕を持った観測が行えそう。
天候さえよければ・・・

16:00 洋上セミナー「風の乱れを測ってなんぼ」東大海洋研のKさん。
彼は「みらい」の常連さん。停船中、みらいのフォアマスト(15mくらい?)に登ってせっせと計測器をメンテナンスしている。見てるだけでびびってる私には不可能な作業。でも本人も「あれは修行です」と言っていた。
難しい研究内容だが、面白い研究結果と活発な討議。
久しぶりにちょっとアカデミックな雰囲気を感じる。

しかし揺れはますます激しくなる。
とここで、揺れが静まるよう「御神酒を戴く夕べ」の開催第2弾。
でもこの上階の揺れる首席部屋まで登り詰められる人がいない・・・
少数精鋭で御神酒を戴き、天気に向かって愚痴を言いつつ回復祈って合掌。

次の設置に向けてただいま準備中
次こそはとここにもリベンジに燃えている人がいた(Kさん)

1月27日(水)

曇り時々晴れ

S1へ向けて回航中。

相変わらず海上は大しけ状態。
昨日よりましになったとは言えども、まだまだ部屋の荷物はなぎ倒される。
実験室から戻ると部屋の中ではビールが転がりイカピー散乱。
気温も氷点下で窓の外では波しぶきが凍りついてる。
今の状態では外の甲板にも容易に出られず、準備作業もままならない。
それにもまして、パソコン画面に向き合うのが辛い。
座っていても、そのまま椅子ごと滑ってく。
そんな中でも船内では皆、昨日のサンプルの処理に追われている。
足を踏ん張っての分析、大変だろうと思う。
足を踏ん張っての日報も、書くの大変だけど・・・
加えて私はK2のスケジュール変更に伴い、今後の観測予定を見直す作業。
S1の観測を少し前倒して実施可能なので、その分早く離脱できるはず。
船長と相談し、今は日没前ぎりぎりに設定されている横浜入港時間を早めて、2/7に予定されている港での作業を2/6に前倒し、2/7は給油でき次第の出港を画策。何とか昼過ぎには出られないか。
ここの数時間が今後の観測計画に大きく影響。
レグ2もS1を早期離脱し、K2の時間を多く取るべきか。いろいろ想定して考える。
今回学んだのは、やっぱりこの時期のK2での観測は一筋縄じゃぁいかないということ。
分かっちゃいたけど、あまかった。
1週間居て、天気がいいのはせいぜい2日。
最後は結局神頼み。

大しけの海を見つめる今航海の“晴れ男”船長と紅一点の乗組員

1月26日(火)

曇り

05:00 CTD採水(300m)
06:00 漂流系回収
08:15 CTD採水(5200m)
12:00 観測終了

今日はレグ1最大の懸案事項その3。
2日前に入れた漂流系の回収作業。
当初予定は明日回収だったが、天候状況から今日の回収へと変更。
CTD採水終了時には表面ブイに付けたフラッシュライトが薄明の中、はっきり点滅しているのがわかる。
この回収には作業艇を降ろす必要はなく、みらいがぎりぎりまで近づき、デッキから“すまる”と呼ばれる鈎の付いたロープで表面ブイをひっかける。
一投目、失敗。続いてすぐさま二の矢が放たれる。
見事捕獲。
朝から少し風があると思っていたが、だんだん風が強くなっていく。
船を回頭し、風にたてて何とか回収。
その後CTD採水を行うも、天候急変。
気圧はみるみる低下、海は大しけ状態へ。
午後からもう1回CTD採水を実施する予定だったが、その後の観測を全て中止。
明日以降の回復もしばらく望めないので、そのままK2離脱しS1へ。
今日は改めて海の怖さを実感・・・

(裏話)
実はIONESS(大型プランクトンネット)の調子が悪く、1回目でうまくサンプリングできなかった。そこで昨夜リベンジのサンプリングを予定。
その場合、真夜中の作業なので今日の漂流系回収は午後にまわすつもりだったが、IONESSの不具合が直らずサンプリングを断念。そこで漂流系の回収を早朝実施することに。午後なら間違いなく回収不可能。
皆でIONESSの不具合に感謝(Kさんごめんなさい)。

午後からはひたすら大しけに耐える。
風速は30m、波高は9mに近い値が・・・

K2は1日早い離脱となったが、最低限行わなければならない観測は実施。
S1で余裕を持って観測できると前向きに捉える。
係留系も結果的に2日しかなかったチャンスを見事にゲット。
漂流系も結果オーライの投入・回収。
ついている。本当に運がいいと自分でも思う。
こんなことなら買っときゃ良かった宝くじ。

“すまる”投入よーい。
首席部屋の窓から見えるはこんな光景

1月25日(月)

曇りのち雪

天気は曇りだが海は穏やか。
本日の作業問題なし!

05:00 CTD採水(300m)
08:00 係留系設置開始
11:30 重り投入
14:00 位置出し等係留系作業終了
14:30 FF
15:00 ノルパックネット
16:00 LISST
17:00 CTD採水(2000m)
20:00 ノルパックネット

今日は昨日の係留系回収に続くレグ1最大の懸案事項その2の係留系設置。
設置前には係留系に御神酒を振りかけ成功を祈る。
この係留系はレグ1で設置し、レグ2で回収して帰る。
無事設置、そして回収できますように。
私はついでに「今度こそ見つけられますように。」
昨日は船長が第一発見者。
その後、船長は操船に入り、誰かが目視でブイを追い続けることが必要。
あのとき切り離し隊は下のデッキに。
必死に双眼鏡を覗いてる私に船長が「松本さん、まだ見えてますか!」
「すいません、まだ見つけてません・・・」
目標はいつしか第一発見者から見つけられるようにと・・・

係留系を無事設置し、待っていたかのように設置後、午後から雪が降り始める。
明日の夜から予報は荒れ模様。
しかしK2の係留系作業がが完了したことで、レグ1は予定通りにできる可能性がぐっと高まる。
今日、正式に横浜入港場所が大さん橋だと連絡があった。
中華街、みなとみらいが目に浮かぶ。頑張ろう。

御神酒をかけて成功を祈る
作業前には安全を祈ってかけ声
「ゼロ災で行こう、よし!」

1月24日(日)

晴れ!晴れ!晴れ!

朝起きると晴れている。揺れも少ない。
ブリッジに行って確認。
船長:「大丈夫です。」
御神酒が効いたのか、船長の神通力が効いたのか、それともてるてる坊主が効いたか、はたまた首席の人徳か・・・
何はともあれ、みんなのパワーで奇跡の天候回復!

09:00 漂流系投入
10:00 フリーフォール(FF):ここでいうFFはフリーフォール式海中光測定装置
11:30 係留系回収準備

まず、海底の重りとその上の観測装置を繋げている切り離し装置の切り離し作業。
今まで眠ってた装置に音響信号を送って目を覚まさせる。
そして切り離し信号を送って切り離し。のはずが返事がない。
何度か試すが返事がない。どうやら船の音響装置とは相性が悪いよう。
急遽、持ち込みの音響装置を船から降ろして信号を送る。
私は浮上したブイの第1発見者になるべく、調査指揮室に残って信号確認。
返事がない。何度か試すが返事がない。
ムムッ、なにやら怪しい雰囲気。
12:30までやってダメなら延期しましょう・・・の声。あと10分。もう無理か。
普段なら朝から回収を行うが、今回は回収地点の到着時間が遅かったため、午後からの回収。しかも日没は16時過ぎ。
残念。こんなに天気がいいのに・・・
と言ってても仕方ないので、頭を切り換え、午後何の観測するかを考える。
昨日たてた回収しない場合のプランBは既に時間が遅くて出来ない。
慌ててプランCを考える。滞在は4日間。しかも最終日は大荒れの予報。
実質3日の観測期間で今何をするのが得策か。スケジュール表を広げてあれこれ考える。
その時、隣から「浮上確認!」の声。
???
予定を考えてる間に切り離されてたらしい!!!
またしても第1発見者のリベンジならず。
しかもあそこに見えますと言われた方向を見ても全く見つけられない。
どうやら視力は全く関係ないらしい・・・

13:00 浮上したブイを拾いに作業艇を降ろす。
13:30 回収開始
17:00 回収終了
18:00 CTD(300m)
19:00 LISST
20:00 ノルパックネット
21:00 IONESS
24:00 IONESS終了

本日の長い1日終了。
氷点下のデッキ作業はさすがに応える。
明日はまた係留系の設置という難作業。でもきっとうまくいくはず。

係留系のブイを拾う海の勇者達
宵闇迫る中、最後にだんごになってあがるガラス玉

1月23日(土)

曇り時々晴れまたは吹雪

Stn.KNOT(44N,155E)

07:00 ブリッジにて観測実施の判断!
08:00 CTD開始→センサーの調子がおかしく一旦揚収
09:00 センサー交換してCTD再投入(5300m)
12:30 CTD揚収

Stn.K2へ

御神酒を皆でわいわいと戴いた後、就寝前には少し揺れがおさまってきたような気が。もしかして、できちゃうかも。と期待して寝て、朝ブリッジへ行く。
いい海況とは言えないが、「やりましょう!」との船長の頼もしい声。昨日の時点では誰もが観測は無理だろうと諦めていた中、うれしい誤算。
御神酒効果が効いたのか、それとも“自称”晴れ男の船長の神通力が効いたのか・・・

明日はK2で昨年度入れた係留系の回収予定。
海況が良くないと実施は難しい作業。
明日は明日の風が吹かないことを祈るのみ。
ただし、明後日は天気予報ではかなり良くなる見込み。
K2には4日間滞在予定なので、海況に応じて作業予定を見直す。
明日が無理でも明後日があるさ。と、一応2通りのプランを作成。
どうなるか、果報は寝て待てということか・・・

吹雪の中、観測開始
昨日の採水練習の成果を早速実践

1月22日(金)

吹雪のち晴れまた時々吹雪

どうやら荒天域と一緒に移動してるらしく、揺れは一向におさまらない。船酔いにやられてる人間もちらほら・・・
昨日はベッドに入っても右に左に揺られて、眠ったらベッドから落ちるんじゃないかと一抹の不安も。そのせいか2時間おきに目が覚める。普段は地震が来ても眠りこけてるのに。

朝起きると雪が横に降っているが、幸い本日は観測作業はなし。
午前中は次の観測に備えて漂流系・係留系の準備、昨日のサンプル分析。

13:00 採水練習(並行して係留系打ち合わせ)

採水は項目ごとに採水瓶が異なり、採水方法も異なる。
シャカシャカよく振れとか、振らずにオーバーフローさせろとか、空気を入れるなとか瓶の肩口以上入れるなとか、いろいろ細かい。
初めての人はやり方が分からないのでMWJ採水部隊の精鋭達がデモンストレーション。その後実際にみんなに体験してもらう。
観測では採水層が多く、分析で出られない者も多いため、採水は乗船者全員で手分けして行う。そのためまずこのような採水練習が欠かせない。

天候は夜になっても回復の兆候が見えない。
明日は朝からCTD採水。
そして明後日は係留系回収という大作業が待ち構えている。
果たしてその運命やいかに・・・

というわけで、今日の夜は揺れる首席部屋で皆で安全祈願の御神酒をいただくことに。明日は回復しますように。

吹雪の中荒れ狂う海
採水練習

1月21日(木)

曇りのち雨

10:30 Stn.JKEO到着
JKEOブイ地点に到着するも、視界不良でブイが見あたらない。
CTDキャストを気兼ねなく行えるようブイを捜す。
今こそ乗船前に行った眼科検診で視力2.0であることが判明した 私の出番だと張り切り双眼鏡で必死に捜索。
波高は3m近く、雨も降ってきてなかなか見つからない。
そのうち揺れる水面を双眼鏡で見続けていると気持ち悪くなってくる・・・

11:00 あった!とチョッサーの声。
2.0の視力は役立たずだった事が判明した瞬間でした。
JKEOブイを右舷に視認してCTDを行うため1000mほど風下へ移動。
むつ研のCO2センサーが付いているはずだが確認できず。
係留系や漂流系、またKEOブイの捜索で2.0の視力はこれからまだまだ きっと役に立つはずとリベンジを心に誓う。

11:30 CTDキャスト開始(5400m)
15:00 CTD揚収

CTDは海底直上10mまで下ろす。着底してしまうとセンサーが壊れる 恐れがあるので海底付近になると慎重に。CTDオペレーションは久しぶり だというMWJの担当者が緊張する中、周りが盛り上げてさらに緊張させる。

夜にかけて分析作業は続く。
そして海況は大荒れに。首席部屋の椅子はくるくる回り出す・・・

JKEOブイ発見!
CTDオペレーション中の緊張する“うっしー”をとり囲むMWJ観測隊重鎮の面々

1月20日(水) 出港

MR10-01航海の首席研究員を務めます、JAMSTECむつ研究所の松本です。

航海関係者の皆様と、航海報告を楽しみにしていると言ってくれてる一部の熱烈な?読者のご要望にお応えして、 今回また航海報告をお送りいたします。

1月20日(水)
晴れのち曇り

07:30 出港
10:00 安全教育
13:15 非常訓練
16:45 金毘羅参り
22:00 船内時間1時間前進→23:00へ
(観測中はずっとこの時間で行います。陸上との時差は1時間)

早朝の寒い中、見送りに来ていただいた多くの!?皆様、ありがとうございました。
本日穏やかな天候の中、無事出港しました。
この天気がずっと続いてくれればいいのに。
と思っていたらだんだん気圧は低下、波高は上昇中・・・

明日から早速採水観測開始。
船内行事の合間を縫って、皆それぞれ担当項目の観測準備。
金毘羅さんにお祈りしたとおり、安全無事順調に観測が進みますように。

出港
Leg.1: 関根浜 (1/20)- J-KEO (1/21)- KNOT (1/23)- K2 (1/24~1/27) - S1 (2/1~2/4) - KEO (2/5) - 横浜 (2/6)
Leg.2: 横浜 (2/7)- S1 (2/9~2/11) - K2 (2/16~2/19) - 八戸 (2/23)- 関根浜(2/24)