プレスリリース


2012年 7月 19日
独立行政法人海洋研究開発機構

「東北地方太平洋沖地震調査掘削-U」
(震源域への長期孔内温度計設置)の終了について

海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)は、平成24年7月5日より、地球深部探査船「ちきゅう」を用いた「東北地方太平洋沖地震調査掘削-U」を実施しておりましたが、7月16日に長期孔内温度計を設置(図12)し、その後、作業用の水中カメラ及びドリルパイプの揚収等の撤収・整備作業を行い、7月19日をもって航海を終了しますのでご報告します。

長期孔内温度計の設置は、プレート境界断層の摩擦熱の長期変化を直接観測することで巨大地震と津波を引き起こした断層の摩擦特性を解明することを目的としたものであり、これにより、巨大津波を発生させた海溝軸付近でのプレート境界断層の滑りのメカニズム解明が期待されます。このような、海溝型地震において地震発生後早期にプレート境界断層の温度計測を実施することは世界で初めての試みとなります。

なお、長期孔内温度計は今秋以降に回収予定としています。

今後の「ちきゅう」の運航予定

・7月19日〜7月26日
八戸港(錨地および岸壁)において整備・荷役作業
・7月26日〜9月27日
統合国際深海掘削計画(IODP)第337次研究航海
「下北八戸沖石炭層生命圏掘削」の実施(7月12日既報

※気象条件や調査の進捗状況によって変更する場合があります。

図1
図1:温度計設置海域図
宮城県牡鹿半島沖合約220キロメートルの日本海溝 海溝軸付近の海域
(北緯37度56分 東経143度55分)
図2
図2:長期孔内温度計編成概念図

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構
(IODPおよび本航海について)
地球深部探査センター 企画調整室長 山田 康夫 TEL:045-778-5640
(報道担当)
経営企画部 報道室長 菊地 一成 TEL:046-867-9198