国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 大和 裕幸、以下「JAMSTEC」)は、現在建造中の北極域研究船(以下「本船」)の船名を「みらいⅡ(ツー)」に決定いたしました。
船名は、一般公募(後述)の結果や外部有識者のご意見を参考に検討した結果、本船が、JAMSTECが現在運用する海洋地球研究船「みらい」から北極域を含む調査・観測活動を引き継ぐ予定であること、これまで「みらい」で培われた海洋地球観測に係る国際的な貢献・認知度からの継続性、さらには、本船が、北極域、ひいては地球環境全体の「未来」への貢献を目指すことから決定したものです。「Ⅱ」によって、国際研究プラットフォームといった新たなコンセプトや砕氷能力などを持つ本船と区別しています。
今後、JAMSTECは北極域研究船「みらいⅡ」と呼称します。英語表記は、Arctic Research Vessel(ARV) "MiraiⅡ"です。
なお、今般JAMSTECでは、老朽化等に鑑み、2025年度をもって海洋地球研究船「みらい」の運用停止を決定いたしました。「みらい」を引き継ぐ本船が円滑に調査・観測活動を開始できるよう、2026年秋頃の完工・引渡しを目指して建造を進めて参ります。
JAMSTECは、北極域研究船について、広く一般の皆様に知っていただき、JAMSTECの活動に一層の理解と親しみを持っていただくことを目的として、2023年7月28日(金)~2023年10月20日(金)の間、特設ウェブサイトを開設して本船名称の一般公募を実施いたしました(参考参照)。
これに対し、7,075件のご応募をいただきました。応募くださった皆様には深く御礼申し上げます。
その後、JAMSTECにおいて、外部有識者を含めた北極域研究船推進委員会において船名候補についてご意見を聴取し、JAMSTEC理事会にて決定いたしました。
船名候補の選定にあたっては、一定数のご応募があったこと、(砕氷)研究船として相応しくかつ直感的に理解しやすいこと、シンプルな表記であること、ポジティブなイメージがある(ネガティブなイメージがない)ことなどを選定の視点として実施いたしました。
北極域研究船の船名を「みらいⅡ」に決定することに加え、今回、多数ご応募いただいた「しろくま」を本船に搭載する作業艇の名称といたします。意図としては、北極域の環境変化の影響が危惧される動物(「ホッキョクグマ」の通称)であり、母船となる北極域研究船「みらいⅡ」が守る地球の「未来」のシンボルとして決定したものです。また、同じく多数ご応募いただいた「ほくと」から連想される北斗七星を、今後本船のロゴマークデザインに取り入れるなど、皆様からいただいた船名公募の結果を最大限活用させていただきます。
本船は2025年3月の進水、2026年秋頃の完工・引渡しに向けて引き続き建造を進めて参ります。
【参考:北極域研究船名称の一般公募について】
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20230728/
別添
完成イメージ
【主要目等概要】
●主要目
全長 | 128メートル |
幅 | 23メートル |
喫水 | 8メートル |
国際総トン数 | 13,000トン |
砕氷能力 | 平坦1年氷1.2mを3.0ktの船速で連続砕氷可能 |
耐氷能力 | ポーラークラス4 |
主発電機 | ディーゼル 約5,600kW 3基 デュアルフューエルディーゼル(DFD) 約2,600kW 1基 |
推進機 | 可変ピッチプロペラ |
乗員 | 97名(乗組員34名/研究者等63名 |
竣工(予定) | 2026年秋頃 |
北極域研究船の詳細、取り組む研究テーマ等については、北極域研究船プロジェクトウェブサイトをご覧ください。
(https://www.jamstec.go.jp/parv/j/)
また、本船の特徴については、「NEXT CHALLENGE -北極域研究船プロジェクト始動-」動画も併せてご覧ください。
(https://www.youtube.com/watch?v=EHrg_7KmBZo)
本研究のお問い合わせ先