令和7年3月19日(水)に、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(JMU)横浜事業所磯子工場において、愛子内親王殿下の御臨席を賜り、建造中の北極域研究船の命名・進水式が執り行われました。
一般公募による船名案を参考に、外部有識者のご意見も踏まえて検討した結果、本船が、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が現在運用する海洋地球研究船「みらい」から北極域を含む調査・観測活動を引き継ぐ予定であること、これまで「みらい」で培われた海洋地球観測に係る国際的な貢献・認知度からの継続性、さらには本船が、北極域、ひいては地球環境全体の「未来」への貢献を目指すことから「みらいⅡ」と決定したものです。「Ⅱ」を付すことで、国際研究プラットフォームといったコンセプトや砕氷能力などの新たな能力を表しています。
船名の公募ではたくさんのご応募をいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
【参考:北極域研究船の船名決定について】
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20240222/
命名・進水式では、あべ俊子文部科学大臣の代理として野中厚文部科学副大臣により命名され、愛子内親王殿下の支綱ご切断により、無事に進水いたしました。
「みらいⅡ」は、大気・気象・海洋・海氷などに関する様々な観測が可能な機器・設備を搭載し、北極海で活動するために必要十分な砕氷・耐氷性能(ポーラークラス4)を有します。また、様々な海域において観測を実施してきた「みらい」を引き継ぐ研究船として、船型の工夫によって通常海域における航行性能も両立するなど、日本の砕氷船建造技術を最大限盛り込んだ研究船となっています。
進水後、引き続きJMUにて艤装工事が進められ、海上公試により性能を確認し、令和8年11月に引き渡される予定です。
JAMSTECでは、引き渡しに向けて「みらいⅡ」の着実な建造と運用準備を進めて参ります。
完成イメージ
主要目
全長 | 128メートル |
幅 | 23メートル |
喫水 | 8メートル |
国際総トン数 | 13,000トン |
砕氷能力 | 平坦1年氷1.2mを3.0ktの船速で連続砕氷可能 |
極地氷海船階級 | ポーラークラス4 ※ |
主発電機 | ディーゼル 約5,600kW 3基 デュアルフューエルディーゼル(DFD) 約2,600kW 1基 |
推進システム | 電気推進・可変ピッチプロペラ2軸2舵 |
乗員 | 97名(乗組員34名/研究者等63名) |
竣工(予定) | 2026年11月 |
※ポーラークラス4は、「多年氷が一部混在する厚い一年氷がある海域を通年航行可能」と定義される。
(参考情報)
「みらいⅡ」の詳細や建造情報は、北極域研究船ウェブサイトで発信しております。ぜひご覧ください。
(https://www.jamstec.go.jp/parv/j/)