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2025年のG7海洋の未来イニシアティブ(FSOI)ワーキンググループ年次会合にJAMSTEC専門家が参加

2025.12.16

2025年11月19日(水)~20日(木)にカナダ・オタワにおいて、カナダ漁業海洋省(DFO: Fisheries and Oceans Canada)によるホストの下、G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI: Future of the Seas and Ocean Initiativeワーキンググループ* 年次会合が開催されました。

会合では、各G7メンバーの海洋政策や海洋科学に関する最新動向を共有した後、「北極域海洋観測」、「OneArgo**」、「海洋のデジタルツイン」を含む2025年ワークプランで定められた各優先トピック*** の活動進捗状況を確認し、2026年の計画及び体制について議論しました。また、海洋の理解・予測におけるAIの活用や深海観測について議論を行うとともに、全球海洋観測システム(GOOS: Global Ocean Observing System)の最近の動向等についても情報共有が行われました。

JAMSTECからは、日本のナショナルフォーカルポイント(窓口、NFP)を務める文部科学省研究開発局海洋地球課に協力する形で、地球環境部門(RIGC: Research Institute for Global Change)及び企画部門経営企画部国際課の関係者が日本政府代表団として対面で出席しました。また、付加価値情報創生部門アプリケーションラボ 関係者が「海洋のデジタルツイン」セッションにオンライン参加し、専門家として質疑に応答しました。JAMSTEC出席者は、科学的・専門的知見を活かし、他のG7メンバーとともに、持続的な全球海洋観測の実現や観測データの利活用、海洋のデジタルツインを含むデジタルインフラの開発など、国際的な科学協力及び政策協力に関する議論に参加し、海洋の明るい未来を見据えた複数の提案を取りまとめました。

今後もJAMSTECは、G7 FSOIワーキンググループへの参加を通じて、海洋科学における政策立案や国際協力に貢献してまいります。

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用語解説

*G7海洋の未来イニシアティブ(FSOI)ワーキンググループ
2016年に英国の主導により専門家ワーキンググループとして立ち上げ。同年のG7茨城・つくば科学技術大臣会合において「海洋の未来」が取り上げられ、G7科学技術実務者(シェルパ)会合の下でFSOIワーキンググループの活動を継続することが合意されました。①海洋観測の強化、②デジタルインフラとデータ互換性の推進、③海洋環境の分析と予測、④能力構築の推進、⑤政策協力の推進という5つのアクションエリアを活動の柱としています。現G7議長国と次期G7議長国がワーキンググループ共同議長を務め、G7メンバー間の調整機能を担うFSOIコーディネーションセンターをEUがホストしています。日本では、NFPを務める文部科学省研究開発局海洋地球課及び関係省庁・機関が連携して取り組んでいます。JAMSTECは、FSOI関連活動にナショナルコーディネーター(飯島瑞枝 企画部門経営企画部国際課・事務副主幹)及びNFP科学アドバイザー(増田周平 RIGC部門長)を含む専門家を派遣しています。

**OneArgo
OneArgoは、自動昇降型観測ブイを用いた全球海洋観測網であり、海洋深層までの物理的および生物地球化学的状態を準リアルタイムで把握することを目的とします。2030年までの観測網構築完成を目指し、国際的な努力が重ねられています。

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OneArgoイメージ

***2025年ワークプランで定められた各トピック
日本は、「北極域海洋観測」、「OneArgo」、「海洋のデジタルツイン」の共同リードを務めました。「北極域海洋観測」は菊地隆 RIGC北極環境変動総合研究センター・センター長、「OneArgo」は須賀利雄 変動海洋エコシステム高等研究所・研究所長、細田滋毅 RIGC海洋観測研究センター全球海洋環境研究グループ・グループリーダー、飯島瑞枝 企画部門経営企画部国際課・事務副主幹、「海洋のデジタルツイン」は石川洋一 付加価値情報創生部門(VAiG: Research Institute for Value-Added-Information Generation)地球情報科学技術センター・センター長、Swadhin Behera VAiGアプリケーションラボ・ラボ所長、山田亜紀子 VAiG地球情報科学技術センター・事務副主幹が、他のG7メンバーの専門家や日本NFPに協力し、それぞれのトピックにおける会期間の議論やFSOIワーキンググループに向けた提言取り纏め、オタワ会合における年次会合に向けた準備に貢献しました。