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受賞のお知らせ

2010年

2010年4月6日

「ちきゅう」コアリング技術が第15回日本地層評価シンポジウムの最優秀論文賞を受賞

改良前、改良後のコアビット
左は改良前、右は改良後のコアビット。コア試料の品質や回収率が改善した。

2009年10月に国際石油物理学・検層学会(SPWLA)の日本支部が開催した第15回日本地層評価シンポジウム(JFES)での27の発表の中から、CDEXエンジニアの眞本・河野・和田による発表が最優秀論文に選ばれました。

第15回日本地層評価シンポジウム 最優秀論文賞受賞
"Development of an improved core bit based on analysis of coring operations during NanTroSEIZE stage1"
Yuichi Shinmoto, Yasuhiro Kawano, Kazuyasu Wada (CDEX-JAMSTEC)

論文概要:
最先端の科学掘削船である地球深部探査船「ちきゅう」は、2007-2008年に統合国際深海掘削計画(IODP)による南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE)を実施した。ステージ1となる第315次および第316次研究航海では、最先端のワイヤラインコア採取システムを駆使して、コア試料を採取することが目的であった。今回の技術開発では、掘削採取するコア試料の高い品質や回収率を目指して、実際に使用したコアビットによる地質試料の分析を行った。また、新たなデザインのコアビットを開発し、2009年に実施した南海掘削ステージ2航海において、顕著な結果を得ることができた。

(JFESレビュアーより)
コア回収率・品質の向上は特に科学掘削にとっては重要である。従来のODPでは、コア回収率が低い場合が多く、その改善が望まれていた。本論文ではNanTroSEIZEステージ1での掘削結果に基づき、RCB(ロータリーコアバーレル)の改良を行い、Stage2に適用し顕著な改良を確認したものである。その効果は科学掘削にとって顕著なものである。実際の掘削経験に基づく改良は今後も継続されることがのぞまれ、NanTroSEIZEのみならず他の地質条件での改良がおこなわれることは科学掘削に留まらず、広く波及効果があると期待される。以上の理由から本論文は今回のシンポジウムのBest Paperに値する。


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