岩石物性研究グループ

概要

当グループは、巨大地震の発生メカニズムを物質科学の視点から解き明かすことを目指しています。地球深部探査船「ちきゅう」による海底掘削で得られた断層コア試料や掘削データの解析に加え、断層の物理・化学的特性を明らかにする岩石変形実験や数値シミュレーションを実施しています。さらに、海底・陸上に残る歴史災害の痕跡の調査と記録・アーカイブ化を通じて、巨大地震の実像に多角的に迫ります。これらの研究を推進するため、観測・分析手法や試験装置の開発にも取り組んでいます。

研究内容

メンバーそれぞれの専門性に基づく最新の研究成果を有機的に連携させ、地震の発生場と地震発生プロセスの解明という共通の目標に向けて、日々研究を推進しています。代表的な研究テーマを以下に示します。

  • 断層物質の低-高速摩擦特性・力学特性
  • 地震断層運動に伴う発生ガスの定量化と発生機構
  • 堆積物中の流体移動特性と地震時の間隙水圧変動
  • 天然断層に記録されている地震時の動的すべり挙動の解明
  • コア試料の物性測定と検層データの解析による地震派生場の原位置環境解明
  • 原位置応力条件における堆積物の熱物性・比抵抗・弾性波速度測定
  • 地震・火山の流動破壊遷移のアナロジー実験と原位置条件実験
  • 地震間の断層強度回復の物理過程の切り分け
  • 非破壊岩石物性分析による歴史石造物等の来歴推定
  • 歴史自然災害記録の保全と防災教育への活用
  • 水中遺跡に記録される自然災害の痕跡調査
  • 海底下天然資源の調査研究

地震時に断層が高速で滑る現象を再現した実験

世界初の流体制御型・低~高速摩擦実験装置
(2008年2月設置)

地下深部の流体圧が存在する環境下で地震断層すべりを模擬した摩擦実験を行うことが可能です。
新開発の回転式熱水・低~高速摩擦実験装置
(2017年2月設置)

地震発生帯の熱水環境下でのスロー地震や高速地震断層すべりを模擬した摩擦実験を行うことを目的に設計しました。
海底掘削によって採取された断層の例(白矢印)
掘削や野外調査から断層やその周辺の堆積物を最首氏、断層がどのようなすべりを起こすのか、またその場所の環境はどういったものか、ということを研究します。
水中構造物の調査の様子
地殻変動を記録した構造物や、災害の伝承が残された遺跡を調査・測定し、これらの数値定量化を進めるとともに過去の災害規模の推定を目指し、また遺構の保存や災害教育への利用をおこなっています。

萩谷名号碑(高知県土佐市) by Tanikawa Wataru on Sketchfab

歴史南海地震の記録を残した高知県内の石碑3Dアーカイブ化の取り組み(図は土佐市の安政南海地震碑)
地震災害記録をヒントに、過去の地震プロセスの推定も行っています。

高知県地震津波碑の3Dモデルによるデジタルアーカイブ化

本研究はJSPS科研費 JP15K12487の助成を受けたものです。

メンバー


谷川 亘 グループリーダー
主任研究員
個人ホームページ

濱田 洋平 主任研究員

桑野 修 研究員

奥田 花也 研究員