海洋プラスチックごみの多くは劣化してマイクロプラスチックと呼ばれる小さな破片になり、添加剤を放出する一方、PCBといった残留性有機汚染物質をスポンジのように吸着します。海洋のどこに、どれだけ、どのようなプラスチックごみやマイクロプラスチックが分布しているのかを把握・評価することは、国際的な急務の課題となっています。
詳しくはこちら本技術開発では、ハイパースペクトルイメージングを用い、マイクロプラスチック(MP)を定性/定量的に、迅速かつ(半)自動で、船上やラボで分析できる技術を確立することを目的とします。水中マイクロプラスチック(MP)に関する従来の採集・分析法の重大な問題点として、試料の処理・分析に時間がかかり大量試料の分析が困難である点、試料採集に用いられるプランクトンネットをすり抜け検出できない約300µm以下の微小MPを過小評価している点が挙げられます。本技術開発は、これらを克服するため、海水から夾雑物を除去しながらMPを効率的に回収し、ハイパースペクトルカメラでプラスチックの材質によって異なる近赤外・短波長赤外のスペクトルパターンを取得し、データベースと機械学習による自動識別と画像解析を組み合わせ、1mm以下、特に300µm以下のサイズのMPの材質・形状・サイズ・個数を同時かつ(半)自動で定量・定性分析できるシステムの構築を行います。連続採水ができる海洋調査船では大量の海水分析ができるシステムを、小型船やラボでは採水器で得られた海水分析ができるシステム構築を達成目標とします。
名前 | 肩書 | 所属 |
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藤倉 克則 | 上席研究員 | 海洋生物環境影響研究センター |
金谷 有剛 | 上席研究員 | 地球表層システム研究センター |
千葉 早苗 | 招聘上席研究員 | 海洋生物環境影響研究センター |
小栗 一将 | 招聘主任研究員 | 海洋生物環境影響研究センター |
Dhugal Lindsay | 主任研究員 | 超先鋭研究開発プログラム |
野牧 秀隆 | 主任研究員 | 超先鋭研究開発プログラム |
土屋 正史 | 副主任研究員 | 海洋生物環境影響研究センター |
中嶋 亮太 | 副主任研究員 | 海洋生物環境影響研究センター |
朱 春茂 | 研究員 | 地球表層システム研究センター |
下出 信次 | 教授 | 横浜国立大学 |