秘密兵器登場

2013/03/24

宮崎 淳一(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

「さ、サクライぇも〜んっ」
「ど〜したんだい、けんたろうくん」
「石がとれないんだよ〜、海況不良で・・・なんとかしてよ」
「う〜ん、しょうがないな・・・あれを出すか・・・」
「えっ、なに?なに?なんかあるのっ?!」
「ディープ・トウドレッジャーっ!!」
「なにそれ?」
「こういう「しんかい6500」が潜航できない海況のとき、もしくは広範囲の海底を調査しかつ石も取りたい時に、「ディープ・トウ」でドレッジができるようにしたものだよ」
「なんかすごそうや」
「おい、けんたろー。なんかおもしろそうなことやろうとしてんじゃね〜か〜」

というわけで、「しんかい6500」による潜航調査は本日も海況不良のためでないことから、「秘策」の登場です。 「ディープ・トウドレッジャー」です。
これは海底観察に使用される「ディープ・トウ」にドレッジャーと呼ばれる石を拾うツールを取り付けることによってカメラを見ながら、石を取ることが可能になるものなのです。
この「ディープ・トウドレッジャー」による石取り潜航調査が本日Yokoniwa Riseで実施されました。

しかしながら、操船とウインチの上げ下げだけで操作する「ディープ・トウ」による石取りは難航。
午前、午後と合わせて2潜航行いましたが、念願の石はとれず~(>_<。)グスン
これまでの海況不良によって潜航調査が実施できない9回ツーアウト、絶体絶命の状況からの、大逆転サヨナラ満塁ホームランはならず・・・


写真1:これが「ディープ・トウ」に取り付けて、海底をズリズリ引きずることによって石を採取するドレッジャー。


写真2:「ディープ・トウ」、オペレーションルームにて石取りの様子を観察する研究者と「しんかい6500」チーム
パソコンに向かうけんたろーくん(右から2番目)を脅すジャイ○ン(一番右)と座椅子に座ってじっと観察するサクライぇもん(右から4番目)