サンパウロ海嶺の見どころ

2013/04/17

YK13-04 Leg1首席研究者
北里 洋(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

今日はLeg1のもう一つのターゲットであるサンパウロ海嶺の見どころについて説明します。

サンパウロ海嶺も、リオグランデ海膨に劣らず面白いところです。地学的な特徴は、高低差2000mにも及ぶ大きな崖です。この海嶺からは、地球内部の岩石である超塩基性岩が分布していることが知られています。サンパウロ海嶺は横ずれ断層と思われる直線上の地形で切られていますので、こういった岩石はテクトニックな活動に伴って地下深部から揉み上げられた岩体である可能性があります。
この比高2000mの崖には何がいるのでしょうか?気になる情報は、マリアナ海溝で見つかった蛇紋岩にともなう化学合成生物群集です。南大西洋でも同じような生物群が発見される可能性があります。見つかれば世界で三例目、大西洋では初めてのことになります。

潜航が始まりますと、これらの景観となぞに迫ることになります。