ブラジル深海探検ピクニック!

2013/05/15

吉田 尊雄(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

5月14日は3潜航目。長野さんのリポートにもありましたように、わたくし吉田が潜航しました。いざブラジルの海底に行かんと、気合いを入れて、「しんかい6500」に乗り込んだところ、電気系統のトラブル発生!早朝のチェック時には発生していなかったのに、何故このタイミングでそうなる?私が乗り込んだのが悪いのか(冬場はいつも静電気で痛い目にあっているし、何故かしょっちゅうコンピュータが壊れる)?それとも、神さまのいたずらか?なんともいえない感情が頭をよぎります。しかし、そこは我らの「しんかい6500」チーム、素早く原因解明を行い復旧。「しんかい6500」チームのみなさん、どうもありがとう!みなさまのおかげで、毎日、安全運航ができます。

さて、わずか2時間で復旧させてくれたのですが、潜航したとしても、海底での作業は大幅短縮。潜航するかどうか?迷うところですが、今後の展開をよく考えた結果、潜航することに。午前11時半に潜航を開始しました。海底に着くまでの間にランチタイム。深海調査中でもお腹は空きます、飲まず食わずで調査をする訳ではありません、ちゃんとお弁当を持ち込みます。「しんかい6500」乗船者3名のお弁当メニューを研究者が決めることができます。お弁当はサンドイッチ又はおにぎり、飲み物は、緑茶又はコーヒーからチョイス。今回は、ブラジルの深海で和を感じるために、おにぎりと緑茶を選択。パイロットの佐々木さん、コパイロットの大西さんともに、おにぎり弁当は初めてとのこと。普段だったら海底で作業中に慌ただしく食べるのですが、今回は、海底にたどり着くまでの待ち時間に食事ができました。ちょっとしたピクニック気分でした。で、どんなお弁当かって?すみません、ピクニック気分と司厨の作ってくれたお弁当を満喫しすぎて、肝心のお弁当の写真を撮るのを忘れました、ごめんなさい。

そうこうしているうちに海底に到着。今回は時間も短いし探査的な要素があったので、「しんかい6500」をフルスピードで走らせながら観察することに。NEW「しんかい6500」は推進器が増えたので、動きはスムーズ、かつ音も静かで、より調査がしやすくなりました。通常よりスピードを上げて走らせているので、大事な発見を見落とさないように観察窓から目をこらしながら必死に観察。我々は、ブラジルの海底を頑張って走りに走って、2.5時間で約6kmを走りぬけました。あっというまの2時間半でした。


写真:NHKディレクターの福原さんを逆取材しているFederal University of Espirito SantoのAngeloさん。