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超先鋭研究開発部門

超先鋭研究開発部門航海シンポジウム
(2025年度実施KM25-12航海)開催案内

2025年1月10日
国立研究開発法人 海洋研究開発機構
超先鋭研究開発部門

2025年度に実施するKM25-12航海を対象として、海洋研究開発機構外の研究者を含め広く意見交換と情報収集を行い、当該課題について補強や充実を図るために下記シンポジウムを開催します。

課題に関心をお持ちの方、航海もしくは航海後の研究にご協力いただける方は申込先までご連絡いただき、本シンポジウムにご参加頂ければ幸甚です。

1.対象課題

課題名: マリアナ沈み込み帯モワーム(MoWAME)の総合調査
―地球生命の生育圧力限界の拡張とアウターライズ・前弧・島弧・背弧熱水循環の化学・生命プロセス理解に向けてー
使用船舶: 海底広域研究船「かいめい」
主要海域: マリアナ前弧・島弧の蛇紋岩海山および熱水活動域、マリアナ海溝(チャレンジャー海淵、シレナ海淵)、南部マリアナ海溝アウターライズ
航海日程(予定):*航海日程については変更の可能性があります。
[Leg 1]
2025年12月18日(出港地:JAMSTEC横須賀本部)〜2025年12月31日(入港地:サイパン) 14日間
[Leg 2]
2026年1月1日(出港地:サイパン)〜2026年1月23日(入港地:JAMSTEC横須賀本部) 23日間
両方(37日間)、またはLeg1, Leg2どちらかのみの乗船が可能。
課題提案者:高井 研
実施項目:
[Leg 1]
KM-ROVによる潜航調査 (7日間)
[Leg 2]
GPC (Giant Piston Corer)によるコアサンプリング (9日間)
CTD採水 (6日間)
目的:
[Leg 1]
現在まで生物学的調査が十分に行われていないマリアナ前弧・島弧・背弧域に散在する深海熱水域および蛇紋岩流体湧水域において、深海熱水に依存した化学合成生態系の構成生物の生物地理や分散メカニズム・遺伝的接続性を明らかにすることを目的として、KM-ROVによる調査潜航を合計7回行う。それぞれの潜航調査では、チムニーや岩石、生物そして海水の採取を行い、得られたデータや試料の船上分析および詳細な陸上研究に供する。
[Leg 2]
地球最深のマリアナ海溝チャレンジャー海淵とシレナ海淵において合計3-4回 GPCを行い、最深で 40m のコア試料を採取し、人類未到達の深度(海面から 11,000m に及ぶ)に存在する生命世界の扉を開き、地球生命の生育限界を拡張する極限微生物(特に限界的化学合成微生物)の取得、その代謝や機能の特定および生育圧力限界への適応・耐性機構の理解を目指す。得られたコアサンプルは船上分析および詳細な陸上研究に供する。
2023 年度に実施されたYK23-13調査航海において南部マリアナ海溝アウターライズに熱水噴出が世界で初めて見つかった。この駆動原理とそれに依存した海底下微生物群集の存在様式や機能を明らかにすることを目的とし、合計2-3回のGPCを行うことで、アウターライズにおける断層活動と「マンガンの大河」ともいえる新しい海底下熱水循環とマンガン生命圏の存在証明を行う。得られたコアサンプルは船上分析および詳細な陸上研究に供する。
アウターライズにおいてCTD採水を数回行い、昨年発見したチムニー湧水の底層水生態系&元素循環に与えるインパクトを検証することを目的として行う。得られたサンプルは船上分析および詳細な陸上研究に供する。
マリアナ前弧蛇紋岩海山群の中で最も活動的なコニカル海山やクウォーカー海山の蛇紋岩化流体の化学特性とそれに依存した海底下微生物群集の存在や機能を明らかにすることを目的とし、初期地球における蛇紋岩化流体に駆動された生命の誕生を準備した化学進化プロセスや初期生命誕生プロセスを理解する大きな手がかりを得るだけでなく、生命存在限界の拡張やこれまでの常識を覆すような生命機能や代謝の理解を目指す。合計3回のGPCを行い、得られたコアサンプルは船上分析および詳細な陸上研究に供する。

2.シンポジウム開催日:

2025年2月19日(水)13:30 ~ 15:30(ウェブ開催)
 ※予定より早く終了する可能性があります。

3.参加申込締め切り:2025年2月14日(金)17:00

4.申込先:

Google formよりお申し込みください。
https://forms.gle/ZiTGAfE32gXErHwr5

5.担当:超先鋭研究開発部門

宮崎淳一(miyazaki11(at)jamstec.go.jp)

研究推進第1課

山本 藍子(life-kikan(at)jamstec.go.jp)
池田 美紀子

(at)を@に置き換えてください

以上