Seasonal Prediction

 インド洋ダイポール(IOD)はインド洋の大気海洋相互作用現象です。 IODは赤道インド洋南東における負の海面水温偏差と西赤道インド洋における正の海面水温偏差で特徴づけられます。これらの変化によって通常は東インド洋で活発な対流活動が西方へ移動し、東アフリカでは豪雨を、インドネシアでは厳しい干ばつと山火事を引き起こします。

正のIODの模式図

負のIODの模式図

Schematic of a positive IOD event Schematic of a negative IOD event.

 陰影は海面水温偏差を表す(赤色は平年より暖かく、青色は平年よりも冷たいことを示す)。白色のパッチはインド洋ダイポールモードが発生しているときに対流活動が強化していることを表し、矢印は海上風向の偏差を表す。

「インド洋ダイポール」の名称は山形教授、Saji研究員、そして地球環境フロンティア研究センター(FRCGC)の気候変動予測研究プログラムの研究員たちによって考え出され、海面水温、外向き長波放射、海面高度偏差等のさまざまな大気—海洋に関するパラメータが東西のダイポール構造をもつことを表現しています。通常はこの状態を正のIODと呼びます。負のIODは正のIODとは反対の状態で、正のIODの前もしくは後に発達します。