ちきゅうレポート
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「心境」2010年11月15日

10月27日、15時45分。薄曇る空の中、新宮港を出航していく「ちきゅう」の勇み立つ姿を見送った。もちろん勇み立っているとみえたかどうかは人によって異なるわけだが、何が何でも私にはそうみえたのです。いや、私だけではない。少なくともとなりにいるナンバちゃんだってそうみえているはずだ。なぜならば、いよいよ長期孔内観測システム設置本番へ向けての航海がスタートしたのであるから。

思えば、1998年、故フレッド・スピース博士のチームに加わり、ハワイ海域OSNサイトで孔内地震計を設置したのが縁で、それ以来、JAMSTEC製孔内観測システムの開発にかかわってきたが、その設置オペレーションは?というと、単に予算線表の中に計画としてとどまるに過ぎなかった。それが、今年の初め、突然、我らが隊長より「年内中にいれるぜっ!やれる?やれるよね?君ならできる!いや、君しかできない!」とのせられるままに、4月にナンバちゃんを新たに迎え入れ、チームLTBMS(実はまだ仮称。カッコイイ名前募集中!)が立ち上がったのである。チームメンバーの紹介はまた追々していきます(もし、まだ私にこのコーナーのチャンスがあるならばね)。

そこで、チームとしてはですよ、早々に実現可能なプランというのをつくるわけです。そして、それをトップマネージメントに説明するわけです。すると・・・・「う~む、○□×◎◇・・・・。で、成功するんだな!?ぜったいだな!ぜったいにぜったいだな!!」などと凄まれた上に、「失敗したらハラキリだからな!」と温かいお言葉まで頂戴したのでした、はい。まあ、今時、「ハラキリ」なんてアメリカ人しか使わないバーチャル・ワードでプレッシャーかけられてもねぇ・・・・・とはいえ、腹は切らねど、腹はくくらないといけないでしょう。

そう!時は来たれり。あの黒い流れの中を、藍色の深みへ向かって、Go for it!・・・・そんな心境で勇者「ちきゅう」を見送ったのでした。

Nori KYO

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