ちきゅうレポート
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「出航」2010年11月29日

11月27日20:00、「ちきゅう」掘削サイトC0002海域向け清水港発・・・・でも、その前に陸にいたLTBMSチームの何名かは清水港にて3日間ほどセンサケーブルのウインチ巻き取り作業に悪戦苦闘していました(汗)。センサケーブルは人間の体にたとえるならば神経と血管の両方の役割をあわせもっています。つまり、これが途絶えるとシステムはジ・エンド。そんな大切なケーブルを実際のオペレーションでは3-1/2インチ(外径約90mm)のチュービングに沿わせて、9-5/8インチ(内径約216mm)のケーシングの中を1000mもの長さ繰り出します。それ故にその取り扱いは要注意なわけです。で、話を戻すと・・・・悪戦苦闘の原因とはレンタルしたウインチが直前に作動不良、それも4台中2台がダメという悲しいくらいな低成績。こういうことがあるんですねぇ。それならばレンタル品なんだから違うウインチに交換してもらえばいいじゃないですか!?と軽くいわれるかもしれませんが、これシンガポールからのレンタル、それも出航の4日前の話ですからね。あとはここにいる人間だけでなんとかしないといけないわけです。ところが、古い機械のため交換パーツはなし。街にいながらにして、まるで無人島でのサバイバルみたいでしたね。でも、チームLTBMSやり遂げましたよ。モータやらバルブやらをばらしては清掃して磨いて組み立てて、これを幾度となく繰り返し、時々、絶望感に苛まれながらも、ついにはちゃんと出航に間に合って全台作動良好となりました。最初はディーゼルエンジンでも搭載しているような音を出していた一番できの悪い#9803くんも最後はシャカシャカと気持ちよさそうに動いてくれました。シミズポートミッションをクリアしてくれました、LTBMSチームメンバー、SARU-chan、Kashiwase、Kimura-kun、Namba-chan、そして、ロジスティックスチームのFujiken-sanさん、ありがとう&お疲れ様でした。そういえば、Kimura-kun・・・・、ほんとうにサバイバルしてきたようなひげ面になりましたよ。このスピードでいくと、LTBMS設置が終わる頃にはどこから髪の毛かヒゲか分からなくなるでしょう。まっ、ある意味、本航海の楽しみのひとつにしております。

出航したときは、頂上の北側コーナーがわずかに白かっただけの富士山も、今回、清水港から間近にみるとすっかり雪化粧をして壮大にそびえたっています。そんな富士山に「さあ、がんばって行ってこいよ!」と背中を後押しされ、「ちきゅう」は再び掘削サイトC0002へと向かうのでした。

Nori KYO

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