ちきゅうレポート
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スマートプラグ、ジーニアスプラグ!2010年11月16日

台風待避の後に最初に取りかかったのは、C0010Aと呼ばれる孔から観測装置を回収することでした。
ここは去年のExpedition 319研究航海の時に孔を掘って、スマートプラグと呼ぶ温度と圧力の観測装置を孔の中に取り付けてきたところです。

スマートプラグとは何か?孔は、掘った後そのままにしないで栓(プラグ)をするのがふつうですが、そのふたに、温度と圧力を観測し続けるロガーを取り付けました。ただのプラグよりちょっと賢い(スマート)のでスマートプラグです。この航海では、これを回収してデータを取り、新しいスマートプラグに取り替えるところを、少し欲張って、温度・圧力の観測装置に採水器をアドオンしたものにしました。「スマート」より少し賢いので、天才!(ジーニアス)プラグ、という名前をつけました。チョー軽いです(観測装置でなくて、ノリが)。次に改良をしたときにつける名前に困るような気もしますが、その問題は後で考えます。

こんな軽い名前の観測装置ですが、設置・回収作業は慎重を極めます。黒潮が毎秒10m近くの速さで流れているところに孔があるので、装置回収のためのドリルパイプを何も考えずに船から降ろすと、潮に振られてパイプがどうしようもなく振動してしまって全然駄目です。我々は、この問題に気がついてから、これまでに検討をしてきた結果、秘策を開発しました。この秘策によって、ドリルパイプは振動せず、そおっと孔に降ろして、安全に装置を回収できるようになっています。
とはいえ、実際の回収・設置作業はドキドキものです。無事にスマートプラグを船に回収できたときはもうバンザイ!って感じでした。安全に作業をしてくださる、ちきゅうの方々に感謝感謝です。

ジーニアスプラグの設置にも無事成功し、次は長期孔内観測所の孔堀りの開始です。

荒木 英一郎

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