システム概要(ES2)
地球シミュレータにおける気象モデルWRFの計算性能
2010年08月26日
独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター
情報システム部
1. 概要
気象系アプリケーションの一つに、NCAR(National Center for Atmospheric Research)やNCEP(National Centers for Environmental Prediction)が中心となり開発を行っている、次世代メソスケールの気象モデルWRF(Weather Research and Forecasting)があります。2009年にシステム更新された地球シミュレータ(ES2)においてWRFV2のチューニングを行って、実行性能を測定した結果、地球シミュレータが世界的に見て高性能・高効率であることが確認できました。
2. 計算性能
地球シミュレータにおいて、nature runの条件[1]でWRFを用いた半球計算を行いました。解像度は格子間隔5kmでX*Y*Z=4486x4486x101とし、計算は力学過程のみ(dry run)、time stepは6秒としました。
3. まとめ
地球シミュレータは、世界最速級の計算機ORNL Jaguarのわずか1%以下のcore数で、50%近い実行性能を達成しました。 また、ピーク性能比については22.2%を達成し、高い実行性能を証明しました。
地球シミュレータホームページ:https://www.jamstec.go.jp/es/jp/index.html
謝辞:
ポーティング、チューニングにご協力いただいた、日本電気株式会社殿に感謝の意を表します。
参考:
[1] J. Michalakes, J. Hacker, M. O. McCracken, R. Loft, and A. Snavely et al. WRF nature run.
In Proceedings of the 2007 ACM/IEEE conference on Supercomputing, Nov. 2007.
[2] http://www.cray.com/Assets/PDF/industrysolutions/CMMACSWRFPoster.pdf
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