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HPCI戦略プログラム分野3

研究開発課題

  地球規模の気候・環境変動予測に関する研究

     
     課題責任者:木本昌秀
  (東京大学大気海洋研究所)
全球雲解像モデルNICAMによるシミュレーション


  研究概要
  毎日の天気や長期予報、あるいは今世紀末の地球温暖化の影響など、全地球規模の気候計算は、さまざまな時間スケールを扱います。計算期間が長くなると計算量も膨大になるため、現在では、明日の天気を計算するときも全球大気モデルでは、雷雲のような一つ一つの雲は扱わず、多数の雲の集団効果を半経験的に推定して計算する方法が採られています。個々の雲を扱うような計算をしていては明日の天気予報に間に合わないからです。
   この研究では、近い将来このような計算上の制限が緩和されたとき、どのような成果がもたらされるかを、先んじて研究しようとしています。膨大な数の積乱雲からなる台風は、地球温暖化の景況を受けてどのように変容するでしょうか?現在は予報できない、赤道を1ヵ月以上かけて一周するような巨大なクモのかたまりが予測できれば熱帯の天気予報に革命が起こるのではないでしょうか?あるいは、空間的な細かさだけでなく、気候システム中でのさまざまな物質の循環や、化学生物学的な過程を取り入れて、気温や降水量だけでなく、将来の二酸化炭素量や大気汚染の予測は可能にならないでしょうか?
従来予測の延長にとどまらず、京コンピュータの画期的な能力を借りて、気候シミュレーションの新しい可能性を探ります。

  研究目標

動画提供:Athena Project(NICS/NSF/NOAA/NASA/COLA/ECMWF/University of Tokyo/JAMSTEC/Cray Inc.)
全球雲解像モデル(NICAM7km講師による) 長期シミュレーションで得られた降水分布(初期値:2009年05月21日)