「みらい」北極航海レポート

2008年9月22日(月) アラスカ夏時間

レーダーで探す雨と雪の故郷

レーダー

雪が降るようになってようやく北極らしくなった、という声を聞いた。それくらい北極での雪の降り方は特徴がある。メリハリがあるのだ。ある時間に急にたくさん降ったかと思うと、とたんに止んだりする。北海道での雪の降り方とよく似ているらしい。晴れ間に買い物に行き、店を出ると雪が降っていて立ち往生する。そんな感じだろうか。「みらい」にはそんな雪雲や雨雲をを調べる装置がある。ドップラーレーダーだ。


雲

ドップラーレーダーというのは、電波を使う装置だ。まず、レーダーから電波を送り出す。出した電波が雲にあたると跳ね返ってくる。そして跳ね返ってきた電波を受け取って、解析を行うのだ。雨や雪の降り具合と、雲の移動速度を知ることができる。
本航海では、北極海に降る雨の量と雨雲が来た方向を記録している。その雨を採取して成分を分析すると、元は太平洋の水だったのか、などを判別できるのだ。雨は海の塩や栄養の濃度を左右する。水の出どころを明らかにすることで、北極海がどんな場所とつながっているかを調べている。



(「みらい」北極航海取材チーム 広報乗船者 米本)