2010年10月、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されました。
生物多様性条約は、「生物多様性の保全」、「生物多様性の構成要素の持続可能な利用」、「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」を目的として、リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)に先立つ1992年5月22日に採択され、同サミットおいて署名開放されました。(日本は1993年5月に締結。)締約国会議(COP)では、2年ごとに締約国が集まり、条約の目的の達成に向けた国際的な取組について議論します。今回のCOP10には179の締約国、関連国際機関、NGO等から13,000人以上が参加しました。
JAMSTECでは、このCOP10のサイドイベントと生物多様性交流フェア(併設展示会)に参加し、深海生物の研究や人工衛星を用いた陸域生態系の調査など、現在取り組んでいる生物多様性研究について紹介しました。
サイドイベントは、締約国や各種団体がその取組の紹介などをするセッション形式のイベントです。JAMSTECは、7名の研究者が海洋生物多様性の現状と未来、人工衛星によるモニタリングと統合解析などについて、開会式やプレナリーに続き同じ会場で発表を行いました。
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北里 洋 | Oceans - Cradle of Global Biodiversity - | 資料 (PDF 1.1MB) |
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藤倉 克則 | Japan: a marine biodiversity hotspot! | 資料 (PDF 1MB) |
![]() | Dhugal Lindsay | Deep Sea Biodiversity: Why so high? | 資料 (PDF 1.3MB) |
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鈴木 力英 | Remote sensing of global ecosystem diversity. | 資料 (PDF 508KB) |
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石井 励一郎 | In-situ observations for ecosystem structure analysis at high resolution | 資料 (PDF 944KB) |
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山本 啓之 | Biodiversity observation system for marine environments | 資料 (PDF 1.5MB) |
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秦田 勇二 | Useful Substances and Functions of Marine Organisms | 資料 (PDF 1.1MB) |
COP10に合わせて、屋外展示会(生物多様性交流フェア)が開催され、JAMSTECは文部科学省ブースに出展参加しました。JAMSTECコーナーでは不思議な深海生物の美しい写真や標本の展示、人工衛星とモデルを使った生物多様性研究の紹介、またCoML(海洋生物のセンサス)の紹介などを行いました。ブースには、会議参加者だけではなく、生物多様性や環境問題に興味を持つ多くの市民の方々が訪れました。
COP10生物多様性交流フェア(2010年10月23日〜29日)において展示したポスターとiPadコンテンツをご紹介します
生物多様性研究に対する JAMSTECの取り組み ![]() |
日本は海洋生物のホットスポット![]() |
海洋生物のセンサス![]() |
NaGISA(ナギサ)プロジェクト 西部太平洋海域 ![]() |
生物多様性研究に対するJAMSTECの取り組み
〜生物多様性を知る、生物多様性を見つめる〜
JAMSTECは、調査船や潜水探査機を利用して海洋に生息する様々な生物や微生物を調べ、生物分布を決める環境要因やその多様な種の構成と機能を明らかにするために研究をしています。また、人工衛星リモートセンシングのデータを利用して、海洋表層の植物プランクトンや、陸上の広域植生分布と季節変化や経年変化などを明らかにし、さらには現場観測データとの比較により天候変動や人間の活動の影響を調べています。また、遠い過去から海底に堆積した化石や痕跡を調べて、現在にいたるまでの生態系の変遷を明らかにしようとしています。 JAMSTECは、地球を見つめ、生息環境を見つめ、そして生物を見つめ、海と陸にわたる切れ目のない生態系とその生物多様性を知るために調査研究を続けています。
「浅から深にわたる海の生物多様性 Biodiversity from reef to deep 」
パンフレット:「深海から、宇宙から地球の生物多様性を探求する」(PDF 2.3MB)