Seasonal Prediction
 

IODって何?

 インド洋ダイポールモード(IOD)はインド洋における大気海洋結合現象です。IODは赤道インド洋南東部の平年よりも冷たい海面水温と赤道インド洋西部の平年よりも高い海面水温で特徴づけられます。これらの変化に伴い、インド洋東部の暖水上にできる対流が西へ移動し、アフリカ東部に豪雨を、インドネシアに旱魃をもたらします。

IODは誰が発見したの?

 IODは山形俊男教授(東大)、Saji博士と地球環境フロンティア研究センターの気候変動プログラムの研究者たちによって発見されました。IODの名前は、海面水温、外向き長波放射、海面高度などの大気海洋場の偏差がダイポール(双極子)の構造を持っていたことに由来します。

どのようにIODを表すの?

 IODの強さは赤道インド洋の西部(50E-70E, 10S-10N)と南東部(90E-110E, 10S-0N)の海面水温偏差の勾配で表されます。この勾配はダイポールモードインデックス(DMI)と呼ばれています。DMIが正のときは正のIOD、負のときは負のIODを表します。

エルニーニョとIODは関係あるの?

 熱帯太平洋におけるエルニーニョがなくてもインド洋のIODが発達することは、幾つかの研究によって明らかにされています。しかしながら、エルニーニョがIODを駆動する場合もあります。このようなエルニーニョとIODの複雑な関係を解明するにはさらなる研究が必要でしょう。

IODは世界各地の天候に影響するの?

IODは世界各地の天候に影響を与えます。例えば、インドモンスーンによる降水、日本の夏の気温、オーストラリアの降水、エルニーニョ南方振動などに影響を与えることが分かっています。